5月30日(日)     浜松メインアリーナ
 浜松団体戦が浜松メインアリーナで行われた。浜松団体戦は異様に盛り上がる。クラブの面子にかかわるのだ。かな?今回は、スマッシュチームは大会運営のお当番になっていた。浜北大会同様、運営に、試合参加にと大忙しだった。メインアリーナはバドコート16面。この地方では最大のフロアだ。大会開催10分前にはコートの準備は整えられる。スマッシュ男子Aチームはキャプテン酒中が歯痛のためドクターストップがかかり無念の欠場。大会運営での参加になった。柱を欠いたチームは元気がなかった。頑張ったものの無念の降格。男子Bチーム、女子Bチームはともに部ブロック棄権2チームが事前に分かり、
 「あはは、降格はありえないね!!」
すっかり緩んでしまい全敗。部は維持した。団体戦になると女子Aチームは話題に事欠かない。今回の団体戦は、シングルエース与羽娘の転居による登録抹消で背水の陣をひいていた。何茶って1部2部3部の集団では浜松1部降格は時間の問題だとだれもが思っていた。女子Aチームの最大の武器はパワーあるショットやスピードのあるフットワークではない。万障繰り合わせ、どんなことがあっても決して出場をあきらめないチームワークだ。自分達が協会団体戦の居る位置さえ自覚しているとは思えない。向こう知らずの集団だったのだ。厚顔と無知ほど恐ろしいものはない。第一試合名実ともに浜松協会NO.1 Yクラブ と戦ったが負けるのにさほど時間は要らなかった。第二試合はジャンケンポンでシングルス選手決定。チームの最若手Eっちゃんに決まった。第1ダブルス、第2ダブルスともに頑張り、1勝1敗。最終シングルス戦に命運がかかった。これは一大事とスマッシュ部員達は一斉に本部席を抜け出し、応援に駆けつける。
 スマッシュには女子にユリチンがいれば、男子にはポッターがいる。ポッターは最近入部した。バドを始めまだ1年ちょっと。何度も写真に取ろうとしても、なかなか写らない。魔法がかかっているのだ。坊主ワーク先生のチーちゃんとよく練習をしている。ポッターもEっちゃん応援のためにラケットを片手に応援にやってきた。ゲームカウント1−1、既に3ゲーム目に入り、リードされたままチェンジエンドする。ポッターの出番だ。なにやらラケット面をくるくる回しだす。眼鏡の奥から優しいまなざしをEっちゃんに、怪しげなのろいの言葉を相手に投げつける。Eっちゃんのすざましい粘りがここから始まった。相手選手にミスが連発し逆転勝ちした。Eっちゃんの旦那様も大喜び!!女子Aチームは1部残留を決めた。この成果がクラブ員の糧となり、次回大会に臨むこととなる。
6月 6日(日)     静岡アリーナ
 いよいよ梅雨。蒸し暑く、うっとうしい季節に入った。夏草は我が世を得たりとばかりに繁茂する。早朝から雨。これでは仕事にならない。暇になる。今日は地域のバドラーに期待され、定着した袋井オープン大会が静岡アリーナで行われる日だ。静岡アリーナは、サッカーワールド大会が行われたエコパの隣に造られた文化総合体育館だ。バドのコートは25面。指定されたコートに入るのに迷ってしまうほどだ。
 大会にはスマッシュから4チーム参加した。当日はサッカーの大会が行われるため、駐車場が制限された。スマッシュには2台分のスペースが与えられた。スマッシュ若者の結束は固い。若者同士、乗り合わせていくようになった。自称20代のセレブ達は憤る (ことはないみたい。だって自覚20代、余裕の人生なんだもん)。
 「何であたし達が誘われなかったわけぇ〜 やっぱりね。」 こんな具合で酒木さんが富巫女さんの所にやってきた。おまけにあたしまで応援に借り出されてしまった。
 袋井大会の特徴はオープンで行われるため県の中部からも多くの参加者が来ることだ。浜松大会は県の西部に位置しているため参加チームは限られてくる。浜北オープン大会でも愛知県東部や静岡県中部のチームが数チーム参加するに過ぎない。袋井オープン大会では西部の大会にはない緊張感と楽しみがある。
 大会は一部を除きリーグ戦勝ち抜けトーナメント方式で行われた。袋井大会主催者も大会運営には苦労している。参加者に楽しんでもらおうと様々な条件を加味し、大会方式を考えている。浜北大会の運営請負人ともお互いに失敗談やら、成功談やら交換し合っているみたいだ。お互いの経験を生かしあう体制も出来つつある。今後の大会が楽しみになる。
 今回はじめてペアを組んだユリチン&島ネエ、マッキー&ポッターはともに第一・二試合では動きが悪く、無念の敗退。その後動きはよくなり勝利に結び付けたもののトーナメント戦にはいけなかった。すっかり若者チームから外されている経験豊かなチームは意気込みが違う。伊達に年輪を重ねてはいないのだ。若者扱いされない ”もどかしさ” を試合へのファイトに変えていたのだ。何をしても楽しく、笑顔で会場に入った若者チームにはない ”何物か” があったのだ。試合前では少しの時間でも、会場の隅っこでランニング、ストレッチと次の試合での作戦会議を欠かさない。おされ気味の展開になっても諦めず、粘りを発揮し、作戦を遂行する。2勝2敗の五分に持ち込んでいた。
 このブロックでは2位までが決勝トーナメントに進むことが出来る。2勝2敗のチームが3チームできてしまった。あれこれ思い悩んでいる所に、本部からコールが! 「やった〜」 喜々として本部に馳せ参じた。 「残念ながら、ゲームポイントを確かめた所、1ゲーム差で3位になります。」 しっかりダメを押され帰ってきた。意気消沈、青菜に塩状態。が、立ち直りは早い。まだゲームの終わっていないチームの応援に出かけていた。やっぱりバドミントンとチームメイトが大切なんだなあ。
 
 
6月27日(日)       グリンアリナ
 浜松シングルス大会が浜北グリンアリナで行われた。浜松協会は今年度グリンアリナを2回使用するようになっている。スマッシュからは部長打凛、前部長もーりー、ちーちゃん、新入部員のポッター君の4名が参加した。女子ではスマッシュ準部員イッソーも参加していた。そういえば「お仕事時間までは参加できるわ」とさっとんも参加していた。残念ながらコールされる前にお約束の時間が来たため棄権となっていた。会場には前回同様ジュニアのシングルスも行われた。シングルスの大会はダブルスに比べエントリー数が格段に少なくなる。浜松の大会は3部制で行っているが、3部のエントリー数が増えてきている。競技水準もかなり上がっているみたいだ。
 グリンアリナ北駐車場より、観覧席、階上に入ったとたんむっとする熱気がこもっている。熱戦が続いていたのだ。ちーちゃんはまだ1部に上がったばかりだ。ポイントはない。で、第一シード箱下に入ってしまった。残念なことに既に敗退していた。打凛、もーりーは一回戦突破する。
 今回の話題の主といえばポッター君だろう。ポッター君は3部で、勝ち進んだ。応援団もポッター君のゲームコートを追う。ポッター君の師匠はちーちゃんだ。ちーちゃんはバド芸に生きている。ポッター君もすっかりちーちゃんの後を追っている。事あるごとに怪しげなショットを繰り返しているのだ。巷の噂では、○江クラブの2名の若手有望選手とAPの選手が優勝するとのことみたいだった。次々と優勝候補を打ち破っての勝利だった。
前部長もーりーも大喜び。前部長だけあって気配りをする。早速、ポッター君祝勝会の音頭をとり、浜北森の家で行った。ポッター君はやっと二十歳になったばかりだ。まだお酒は飲んだことがなかった。試合疲れと、初めてのお酒でダウン。バドはともかく、お酒ではまだまだスマッシュのレベルには達していないみたいだ。スマッシュメンバーで今後も様々な面で鍛えられる。

 「あの子がポッター君ね。」
 「あたし昨日『・・・・・アズカバンの囚人』見に行ってきたわよ。」
 「凄く泣けちゃった。」
コートでは”鬼”じゃないかと思われているスペース○山さんがやってきた。ホントは優しい人だったんだなあ。

 
7月17日(土)          浜北プラザビアガーデン
 「ねえねえ、ビアガーデンしよ〜よぉ!」
スマッシュではこの何ヶ月間、部員交流の場がなかった。裏掲示板では随分盛り上がり、今でも飲み会が開かれんばかりの勇ましさはあったものの音頭をとる人がいなかったのだ。このまま企画部を待っていたら飲みそびれてしまうことを恐れた勘定奉行は練習後のミーチングで何度も何度もお誘いにきた。お誘いにはもっとも弱そうな者を狙う高度な作戦だった。
 スマッシュの飲み会はビジターもやってくる。毎回ビジターは気合が入っている。練習同様部員達よりも早めに来ている。今回もそうだったみたいだ。開場30分前には既に遅しと部員達を待つ。部員達は練習では遅刻は多いが、飲み会では開催前にはお行儀よく、集まっている。この熱意で少しは練習して欲しいもんだなぁ。
 「ビアだビアだ」と叫んでいたスマッシュ一美形人気者、ユリチンは今回参加しなかった。でも大丈夫。ユリチンに負けず劣らぬ超可愛いアベッチが入部していたのだ。
 今回の席は会場の関係上2箇所に分けられた。セレブたちは結束が固くビアやお料理に近い席を占拠する。スマッシュセレブだと言っても、みんな若々しく美しい部員に違いはない。が、男性部員達はセレブとは離れた席に向かう。男性ばかりで、おまけに薄暗く、むさ苦しい席になっていた。未だ来ぬアベッチを待つのだ。なんとしてでもセレブとアベッチを同席させてはいけないのだ。アベッチ獲得作戦を練り、なかなか現れないアベッチを待つ。アベッチ予約席まで作り涙ぐましい努力をしていた。待てば待つほど期待は膨らむ。アベッチを飽きさせない会話も用意していたのだ。
 お仕事の関係でアベッチはかなり遅くやってきた。 独身男性部員達は色めき立つ。すぐさま独身部員2名はエスコートに立つ。タックンはビールをジョッキに入れる。ちーちゃんもトレーをとり、アベッチの好みのお料理を盛り付けている。なにやら会話も弾んでいるみたいだ。次第にこちらの席に近づいてくる。予約席で待つ部員達はニコニコしながら席の周りを片つけている。と、
 「アベッチ、こっち〜こっち〜」
普段は物静かなセレブが、大声をかけた。
 「あちゃ〜」
 声をかけられたアベッチはトコトコセレブの席へ。男子部員達は落胆する。弾むはずの会話は、色を失せ、薄暗さもあって表情から生気が失せる。
 「あ〜っズルー」
 ちゃっかりセレブの席で隣の酔也がアベッチとお話ししていた。抜け駆け、ズルっ子をしていたのだ。そういえばお誕生会のときもユリチンを独り占め。 恐るべし酔也。練習にはちっとも姿を見せないのに、飲み会では全出席。しかも、いつも一番美味しい所にいるのだ。さすが1部は抜け目がない。とほほ
9月12日(日)          浜北市総合体育館
 世界中オリンピックに夢中になっている間スマッシュでは着々と浜北オープン大会の準備をしていた。今回は参加チーム数86と規模の小さな大会になった。少しでも参加者にゲームを楽しんでもらおうとリーグ戦勝ち上がりトーナメント戦の形式になった。グリンアリナでの大会も数回を経て運営もかなりスムースなものになっている。グリンアリナでの大会は6月後半から9月にかけては職員も閉口するかなりの(館内)暑さになり、高額料金の強風エアコンを入れなくてならない。で、一時間お昼休み休憩エアコンタイムを取った。
 スマッシュ4部の活躍は凄まじかった。部での練習試合はいつもジャンケンポン。たとえ初心者といえども甘えは許されない。上級者にとっては気持ち的にかなりきつい練習になる。4部の部員達は嫌がうえでも鍛えられる。初心者は面倒見のよい上級者にも恵まれている。今回の大会でベスト4に3チームが残った。金銀獲得。3部のポッター・ユリチンは練習試合の時でも真剣に取り組んでいた。練習の最中でもお互いの点検に卒がない。その甲斐あって銀メダル獲得。2部はさておき1部も頑張った。酒木・チーちゃんペアは強豪が並ぶ中、チームワークでトーナメントに勝ち上がった。モーリー・A山(西山口)も銅メダル。スマッシュでは3ヶ月も前からペアを決め練習に練習を重ねていた。あちこちの大会ではメダルに縁がなかったが今回ばかりはその成果が現れた。
 新入部員4部銀メダリスト アベチンは大会開催と聞いてすっかりスマッシュの部内試合と勘違いをしていた。会場には一番乗り。会場に集合時間通り現れない部員にすっかり焦ってしまっていた。時間になると知らない参加者が続々来るのにびっくり。
 「うそ〜 今日ってどんな大会なの〜? 他のクラブも来るの〜?人数ばか多いじゃん。」すっかり遠州弁に染まっている。あれほど練習後に打ち合わせをしていても話はほとんど聞いていなかったみたい。いつも話を聞いてない先輩部員の教えを守っている。
 「すみません。勝者サインをお願いします。」
ポッター・ユリチンはしっかりニックネーム「ポッター&ユリチン」とサインをしていたみたいだ。
 「ドテッ」  りかぴょんは2ゲーム早々床に嫌われる。タダでさえ怪我のしやすい床がどうなったか心配。滅多に練習や大会に参加しないブンチャンはりかぴょんを連れ整形外科に走る。りかぴょんはすっかり太くなっても目立たない痛い足をかばい運営に頑張ることになった。
 スマッシュ部員は若者の世話の他、セレブのお世話までしなくてはならない。が、こうしてみんな仲間思いの気のいい部員に育っていく。
9月17日(金)           GASUTO
 今日の練習は浜北体育館。日曜に浜松アリーナでの大会を控え熱が入っている。チーちゃんは女子高生の面倒を見ている。チーちゃんが球出しをし、助言をすると途端ににフォームがきれいになる。初心者の立場に立って考え、その指導も適切で的を得ているのだろう。手取足取教えられる女子高生は幸せだ。チーちゃんも幸せ感いっぱいみたいだ。チーちゃんばかりでない。酔パも滅多にない自分の練習時間を割いて面倒を見る。チーちゃんや酔パの他、マッキー、酒木さん、富巫女さんまでかわるがわる初心者の面倒を見る。スマッシュ1部は大変だ。大会を控え自分の練習をしたいだろうに。みんなで力を出し合い若人の将来にかけ面倒を見ている。最近の風潮の中でなかなかできないことだ。あちこちの大会で勝ち進むより地道で大変な作業をこなしているかも知れない。
 練習が終わるとミーチング。その後今回の大会の最後の実行委員会がガストであった。何とか大会をやり遂げホッとするまもなく、次回大会に向けての反省をするためだ。スマッシュ部員は自分達の練習の他、様々なお仕事を抱え大変だ。バド練習時間より会合のほうが長い。が、こんな時間があるからこそ普段の練習も大会も効率よくいくのだ。
 ガストでの反省会は食事をしてないものは食事を、そうでないものは飲み物を手にもちながらすすんだ。勿論一番の若手マドカが書記の役割を果たした。勘定奉行はいつでも用意周到。反省会が短時間で実のあるものにするため論点を纏め上げていた。準備の段階での問題、当日の問題など様々な項目をチェックした。多くのよかった点、悪かった点が話された。悪い点は教訓としてその原因をはっきりさせ、今後に生かしていくことになった。反省会を終え時計を見ると深夜12時近くになっていた。
 今回の最大の問題は組み合わせにあった。組合せは毎回毎回難しい。どうやっても客観的な組合せが出来ないのかもしれない。くじ引きでやったりもしたが、いまいち評判が悪い。より客観性を持たせるために多くの人の目が必要ということになった。
 今回の大会で残念だったことは、またまた、けが人が出てしまったことだ。3月の浜北交流戦でも3人の方がアキレス腱を痛めてしまい、保険の対象になっていた。浜北市民体育館に比べコート数、試合数が増え、けが人がでる可能性も増していることは確かだが、それにしても多すぎる。交流戦直後のバレーボール大会では、選手が複雑骨折、捻挫などを起こしていたそうだ。前にスポーツ振興課の職員がここのコートの塗料のことでなんか言っていた。体育館が新しくまだ床(塗料)が馴染んでいないせいかもしれないが、塗料が原因だとしたら何とかしてもらわなくてはならない。スポーツ振興課では体育館内の怪我に対しては把握していないかもしれない。市民が使う体育館では市民の身も案じてほしいものだ。市は各利用団体にケガの様子や状態などを把握してもらうようにもなって欲しい。より一層スポーツの振興にもなるのだ。
 で、今回の大会では
約19000円の赤字を出してしまった。選ばれた参加者への大盤振る舞いの景品と大会当日館内が暑く、通して2時間の冷房料金が痛かった。とほほ
 浜松協会の部別ダブルス大会が浜松サブアリーナで行われた。参加チームは100チームを超えていた。協会の大会では団体戦以外の全試合で正規ルール15ポイント2ゲーム先取で行っている。協会はゲームを充分楽しんでもらおうと配慮をしている。スマッシュからは他のチームの助けを得て10チームが参加した。スマッシュは大会のすべての部でエントリーしたが成績はよくなかった。男子1・3部と女子3部で1勝をしていたが、他の部ではすべて第一試合での敗退。先週浜北混合大会で力を使い果たし、息が続かなかったのだ。混合大会に向け何ヶ月も前から練習をし、男女ともミックスの動きになってしまい、コートのあちこちでぶつかり合い、また、お見合いをしていた。
 「パーン、カキーン、パン」
隣で金属音のする相手ペアの肩慣らしが始まる。我々なんちゃって2部はびびる。どう打ってもあんな音はしない。時折音がしない時もあるのだ。レベル差はもう歴然。でかい体でしかも素早くコートの中を動き回っている。ゲームが始まる前からもう結果は目に見えている。一応作戦らしきものは立てたものの何の役にも立たない。ゲームでの緊張感も5・6点まで。後はボコボコ、ボロボロにされてしまった。第一ゲームが終わり水分補給に行くと相手チーム応援団の可愛い女の子から「がんばって」なんて応援されてしまう始末。普段なら大喜びの所だが弱体な我々にも面子があるのだ。喜んではいられない。
 散々な目にあってしまった。すっかり気弱になり、「・・・練習しなくても上手くなる方法ないかなぁ〜」なんてノンベさんと話していると、
 「ノ〜ンベさん!」
後ろの席から艶やかな声がした。振り返るとなんとノンベさんの応援に美人がふたり来たのだ。ノンベさん、いつのも声色と変わっている。今までわれわれに見せたことのない笑顔になっている。残念ながらノンベさん試合開始が9時で頑張ったものの既にゲームは終わっていたのだ。あんな美人がもっと早めに来てくれれば結果も随分違ったものになっていただろうに。で、「人知れず辛いキツイバド練習しないモンは上手になるわけないじゃん。」・・・だよねぇ。

 「今日は”センザン”であがり、どげんと?」
ちーちゃんが誘いをかける。メンバーの試合は3時にはすでに終わっていた。普段なら準々決勝までには何チームかは残っていることもあるのだが今回ばかりはそうはいかなかった。5時まで観覧席でレベルの高い試合を観戦した。センザンでは普段はなかなか出来ないクラブ情報交換、試合の反省をし、動きの足りなかったモンは一般公開での練習にと足を早めた。
9月19日(日)        浜松サブアリーナ
10月10日(日)  小雨       つぼ八
 つぼ八で有志の飲み会が行われた。最近若者ばかりであちこちの飲食店で飲み会が行われていたみたいだが、今回ばかりはどうしても仲間入りしたいセレブたちが強引に和って入った。おじ様連中も乱入。部長打凛も連休で帰京予定であったが、飲み会のことが心配でならない様子で留まっていた。
「さっとん!おめでと〜」
「ありがと〜!!」
 飲み会は昼に行われた浜松市スポーツ祭バド大会の参加者の祝勝ご苦労さん会を兼ねるものとなった。マッキーがヘアピンキッズのM淵さんとペアを組み3部で堂々の優勝を飾れば、ユリチン、さっとんペアが3部で準優勝。ユリチンさっとんペアはこの日のために練習を積み重ねていた。浜松協会主催の大会ではあまり成績が振るわなかったスマッシュに朗報を運び入れた。浜松団体戦への力強い布石となる。
 おとみさん大爆発!にタッキーたじたじ。してるみたいだったけど、つぼ八は賑やかで何をどう話しているのか訳わからん。どうやら浜北大会の反省らしい。準優勝ペアも納得いかないことがあったのだろう。ペア練習もしないでの準優勝もいいと思うなのだが、内容に納得できなかったみたいだ。
もっぱらタッキーがボケ、おとみさんがツッコミ。
 「だめじゃん!タッキー。もっと自信を持ってやんなくっちゃあ。」
決勝戦でラケットを握り、まだ数ヶ月の同じスマッシュのタックン&マドカペアに負けてしまったのがかなりのショックだったのだ。
 「あ〜 なんか学生時代みたい。つらいなあ。」
陸上部で先輩諸氏から散々活を入れられたことを思い出し、しょげている。みたいだ。でも大丈夫。タッキーは”A様”で、協調性があり、何を言われても3歩歩けば何事も忘れ、根に持たない特技を持っている。”O様”のおとみさんは酔いが回っていなくても口はよく回る。いつも朗らかで人気者。なんだかこの4人で浜松団体戦に挑むみたいだ。成績いかんにかかわらず頑張って欲しい。
 明日はお仕事、早めのお開き。玄関前でアベチンの送り狼ジャンケンをしようとすると、準優勝のさっとんは、近回りの酔っ払いのピストン輸送を願い出ていた。ホント気配りの人だなあ。そういえばコートでもそうだなあ。コートのなかでのプレースタイル、人格と、コートの外での人柄はちょっと似ているところがあるんだなあ。
 少し離れた席で、スマッシュ友好クラブ、デリカ浜北の人たちも交流会をしていた。バド練習、交流会と仲間意識を高めている。飲み酔っ払いたいだけのスマッシュとは気合が違う。負けていられない。努力しよう!!

10月24日(日)       浜松メインアリーナ
浜松団体戦秋の陣が浜松アリーナで行われた。スマッシュからは男子3チーム、女子2チームが参加した。前回は女子Aが頑張り、1部残留を決めていた。その点男子は不甲斐なく、降部を免れるのに精一杯だった。女子には負けられんと男子チームは気合がはいる。前回と違い男女とも棄権チームが少なかった。ノンビリとはやってられないのだ。
 女子Bの戦いから始まる。
 「あっ、あれまずいすっよ。」 観戦していた釣師カズがなんか見つけていた。
隣のコートを見るとスマッシュ女子チームウエアと同じウエアを着ているチームがいたのだ。とても可愛いらしいウエアでピンクだ。もちろん着こなしはスタイルのいいスマッシュ女子にはとうていおよんでいない。
 「これで女子は何を言い出すかわかったもんじゃない。また新しいウエア買うなんてことになるんじゃない?ははは。」
どうしても隣のコートが気になり、調子が出なくなり女子Bチームはあえなく全敗。とうとう最下位部5部に陥落。あおりを受け無類のチームワークの良さを誇る女子Aチームも1部陥落し2部となり、男子Cチームもトーナメント2回戦を勝抜くことができなかった。
 男子Bは頑張る!いつもはジャンケンポンでメンバーを決めていたが今回ばかりは違う。優勝を目指していた。勝抜く作戦を練る。一戦を勝抜くと二戦相手チームのキャプテンがやってくる。
 「あの人何部なんですか?凄い上手いんじゃないですか。なんで7部のチームに出てるんですか?」
 「う〜ん、あの人ね。1部なんですがお酒だめなんですよ。」
スマッシュの部わけは一味違う。例え実力があろうとも酒力がなければ男子Aには入れないのだ。男子Bは最強のダブルスメンバーを組みダブルスで2勝を目指す。 「最後まで回さんで!」 シングルに選ばれたモンはプレッシャーをかける。シングルまで進めば優勝はないのだ。7部といえども魑魅魍魎ツワモノチームが揃っていた。が、とうとう全勝で決勝にまで勝抜き念願の優勝を勝ち取った。決勝戦を勝ち相手チームと握手しようとする。
 「あれ〜っ!シングル選手がいねぇ〜。逃げ出したみたい」 
 男子B決勝戦では苦しい戦いが続いていた。第2ダブルスがリードをしているのだが急に流れが変わり雲行きが怪しくなる。その度にシングルス戦に備えアップをしていたのだ。決して逃げ出したわけでもないし、シングルスにまわり楽して靴下を手に入れたいわけでもなかみたい。
 「僕7時間も待ってるんですよね。も〜くたびれてしもた。」 男子Aキャプテン酒中は辛抱強い。スマッシュ応援のため大会はじめからずっと待ち続けていた。で、その甲斐があり男子Aも優勝し靴下を手に入れた。そういえば男子Aが優勝するまではじめっからずっと待ち、恒例仙山での打ち上げ、その後一般公開まで頑張ったトントン&マーくん、たっくん、チーちゃん、マッキー、ポッターがいたんだよね。みんなバドが好きなんだよね!
 
 
11月 7日(日)     浜松サブアリーナ
 浜松混合大会が浜松サブアリーナで行われた。参加チームは1部21チーム、2部19チーム、3部32チームの合わせて72チームだった。
 「すご〜っ!」 マッキーが叫んだ。
確かにスマッシュは凄い。参加8チーム中5チームがシードされていた。その割にスマッシュチームは振るわなかった。実力より出席率でポイントを稼いでいた。負けても負けても懲りずに大会に参加するバド好きが多い。もうバドが生活の一部になっているのだ。
 3部ではマートン夫妻がペアを組んだ。今回はマーくんが体調不良を押し参加していた。マートンは普段から仲がいい。早くからペア練習にも励んでいた。息も合っている。いつも仲のいい夫婦ペアでも大会となるとわがままになる。周りにはわかり辛いがああだこうだと相手に不満をぶつけあう。試合中ついつい生活での不満が噴出してしまうのだ。トントンは人に優しい。その優しさがプレーにも出てしまう。相手男子の最も打ちやすい所に 「さあ、あたしに打って、うふっ!」 と大サービスしている。
 「あ〜っ!見知らぬ男にそんな〜」 マーくんも心穏やかではいられない。が、「ドンマイ、頑張れ!」最後まで夫婦励ましあいながら試合を進めていた。はじめっからしまいまでやっぱり仲のいいマートンだった。よかったなあ。
 「えっ!その球も俺かよ〜っ」「あ〜っ!それも俺〜っ!!」 酒中がっくり。酒木さんはいつもミックス大会ではお色気作戦。「酒中お願い〜!!」攻撃を連発する。普段あまり練習の出来ないペアは大会では苦しむ。今回は頑張った。3回戦1部優勝チームには負けたものの大会ごとに実力が付いている。
 「あの人凄いねぇ」浜松大会では凄い技とパワーを持った男子以上の見慣れない女子選手を見つけた。スマッシュ部員はみな注目する。部長打凛はすぐさま「確か全日本で見たことがあるなあ」といえば、そうそう「あのフォーム見たことある」違うモンも「確かT岩さんだったよねぇ、あの時3位だったよねぇ」バドオタクの揃ったスマッシュでは全日本クラスの選手の名前チェックは素早い。本名を探し出すのに時間はかからない。
 早速T岩さんに話しかけた。
 「確かT岩さんですよねぇ。これからも浜松大会に参加できるんでしょうか?」すっかりあがってしまい赤ら顔で尋ねると優しく答えてくれた。「出来るだけ出ます。」
 ハイレベルの観戦。これからの浜松大会への参加が楽しみになる。