11月13日(土)           伊豆松崎 とみや
11月14日(日)       伊豆松崎 体育館
 年一回恒例になっている合宿を昨年と同じ松崎で行った。今回も大人数での参加になった。伊豆松崎は県内とはいえ随分遠い。同乗している者は気楽なものだが運転者に力がかかる。昨年も帰宅時にはかなり閉口していたみたいだ。で、今回は運転者の負担を軽くしようと駿河湾フェリーを利用しての松崎行きとなった。運転者への負担を船酔い者の負担に転嫁したのだ。・・・・・・・・・陸地の中ほどに住むものは海のことなどよく分かんない。こんなはずでもなかった。船に弱いものは飛び魚や映り行く大海と駿河湾からの美しい富士を見ることもなく目を回している。船に強いものは張り切っている。
 船の上では開放的になる。
 「お嬢さん。プリッツ煎餅いかがですか?」
りかぴょんがナンパされている。まさかと思ったらそうではないみたい。初めりかぴょんがナンパしようと飴玉を素敵な男性にあげていたみたいだ。そのお返しだったみたい。ナンパされる心配は全くなかったのだ。やっぱりね。
 スマッシュには実に多彩な者が集まっている。多種多芸、芸能人の集まりみたい。船の中にあるピアノを見っけだす。部員達が早速ピアノに集まり鍵盤をポチポチ打つ。するとタッキーが
 「ちょっと弾いてみましょうか。」
とピアノの前に座る。なにやら難しいきれいな曲を奏でる。凄い!!部員や乗船客もびっくり。すっかり”船上のピアニスト”になっている。いやいや素晴らしいものを聞かせてもらった。
 企画部は現地にスマッシュ部員伊豆の踊る子を派遣していた。宿泊地、練習会場、寄り道所など綿密に計画に入れていた。松崎バドミントン倶楽部の方達との打ち合わせもばっちり。踊る子は今日の日のために下準備をすべて済ませていた。感謝感激!前回合宿を反省し、夜の交流会より練習に力をいれた計画を立てた。我々がお楽しみ宴会クラブではなく、よく考えたらバドミントンクラブであることを思い出しバドラーとしての自覚をより一層深めたいのだ。合宿で部員達の技量を上げ成果をあげるように頑張った。
 8時に浜北を出発し12時半体育館に到着した。館内に入ると打ち合わせどおりラジオ体操、ランニング、素振り、フットワーク、ノック練習にと汗を流した。スマッシュクラブの弱点、ローテーションにも時間を割いた。
 「あ〜あ。ツマンナイなぁ〜」
りかぴょんは浜北混合大会での足の怪我がまだ治っていなかったのだ。ひとり寂しくつまらなそうにコートの外から部員達の練習を見ている。心はすでに夜の部の宴会に。今日は部員全員何もしでかすこともなく4時半には練習を終え、民宿とみやへ足を早めた。  
 「ねむぅ〜」
練習好きな部員達は朝6時には起きていた。昨晩のことはほとんど覚えていない。というよりほとんど知らないのだ。昨年同様普段見たこともないような豪華な舟盛りが並んでいたような・・・・。
松崎バドミントン倶楽部の人たちとの交流は夜の宴会から始まった。簡単な自己紹介から始まり次第に打ち解けていく。昨年のことを昨日あったことのように思いだす。前回合宿出席者は実に慎重になっている。思いっきりアバレンジャーと化し苦い思いをしていたのだ。その点今回初めて合宿に参加した部員は隙だらけ。
 「アーニーつぶれました。動いてませ〜ん」」
元気一杯だったアーニー・カーペンターは宴会が始まるやいなやテンションが上がる。みなの勢いに飲まれ、酒にも飲まれ次第に目が空ろになっている。
 「ちーちゃんつぶれました」
クラブ成人最年少ちーちゃんは熊本生まれ。滅多なことではつぶれない。今回ばかりは周りが許さなかった。早々に床に着き布団の中で夢見る。
 「酒木さんはじけっぱなしで〜す」
 「トントンつぶれました〜」
 やっぱりアバレンジャーこそ出現しなかったもののツブレンジャー、ハジケンジャーには事欠かなかったみたいだ。
 「あ〜っ」
周りの男性部員達は唖然としている。お世話になっている松崎倶楽部のガクさんがユリチンの肩に手を回しツーショットでデジカメを〜!僕達部員はずっと我慢してたのに。セレブたちも黙ってはいない。
 「私の時には肩に手を回してくれなかったじゃん」セレブ達は憤っていた。みたいだ。
 今日からは松崎倶楽部の方達との合同練習だ。3チームの混合チームを作り団体戦を行った。倶楽部の方々に気を使ってもらい充分楽しむことが出来た。
 昼過ぎに帰路に着いた。途中温泉に立ち寄り、湯に浸かり合宿の疲れを癒した。フェリー乗船までに時間があり港で魚釣りなどして楽しんだ。乗船すると辺りはすっかり薄暗くなっていた。
 今回合宿を計画され、準備をしていただいた皆さん!ご苦労様でした。お疲れ様でした。松崎倶楽部の皆さん!大変お世話になりました。ありがとうございました。これからもどうかよろしくお願いします。
 「あ〜あ。合宿参加したかったなぁ〜。みんな凄く楽しそうに話しているし。どうか来年は参加できますように  /
(_ _)\ 」
11月27日 (土)          マートン邸
 「ようこそ スマッシュへ!」
マートン邸で新人歓迎会兼忘年会を行った。大会主催、大会参加、合宿など行事で忙しいスマッシュはなかなか新人を歓迎する機会がなかった。1年以上も開いてなかったみたいだ。恒例、一品持ち寄りで催された。独身男性たちは飲みきれないほどのお酒を用意する。セレブたちは腕によりをかけ、美味しい手料理、家庭料理が披露される。
 「看板娘さ〜ん!こっちこっち」
何回か持ち寄りで宴会を行うと自然に料理の上手い人の周りに人が群がってくる。看板娘、トッコ、ひーちゃん、トントン、さっとんは超人気だ。また、本当に美味しい料理が食べられる。1人前のみの用意なので全員の口には入らない。お皿が回ってきたときには既に料理の跡形もなく、当たりつけなかったモンは落胆の色を隠せない。中には自信作のはずだが最後まで残ってしまうものもある。ヘルシーオカラ料理は無理だった。帰りには作者も赤ら顔で包みに入れていた。やはり落胆の色を隠せないでいた。
 ポッター、マドカ、サト君、タラちゃん、ユリチン、タックン。新人といっても既にクラブの仲間にどっぷり浸かっているが自己紹介を行った。普段練習中では知ることが出来ないことに探りを入れられる。
 この宴会には部からの補助がついていた。外れ券無しの超豪華賞品が用意された。スポーツバック、シューズ、スポーツタオル、靴下、グリップテープ。集まった20数名がビンゴゲームで盛り上がる。どういった偶然かビンゴで早く上がったモンは次々と人気のないグリップテープに当たりつく。6名が残った時には盛り上がった。スポーツバッグ、シューズ、タオルが残っていたのだ。
 「私絶対当たってる気がする〜」 ユリチンが立ち上がった。スポーツバッグからオーラを感じ取っていたのだ。隣ではまだクジを引いていないタックン、与羽娘がこれ又なにかを感じドキドキしてるみたいだ。でも、シューズ、スポーツバックは一つずつ。で、この3名のオーラはグリップテープのオーラに早変わり。スポーツバッグはサト君、シューズは苦学生で魔法使いポッター君の手に、スポーツタオルは看板娘にと納まった。小市民の集まりでは、些細な景品がよく似合う。こんなに盛り上がった宴会は初めてだ。マートン邸の皆さん、準備、方付けに狂奔された皆さんありがとうございました。
 が、散々な忘年会になってしまった。当日喉が痛いと新人アベチンと二人だけになるはずだったお迎えのお仕事をヒッポカシ、その後、4日間も寝込んでしまった。
12月12日(日)      浜松サブアリーナ
 浜松今年最後の大会、混合団体戦が浜松サブアリーナで行われた。混合団体戦はクラブチームを中心にしたクラブ1・2部とクラブ混成チームの一般1・2部で予選リーグ、決勝トーナメントで行われる。今回はクラブ1部6、クラブ2部20、一般1部4、一般2部13、合わせて43チームが参加した。スマッシュからはクラブ1・2部に4チームのエントリーだった。スマッシュでは予選リーグを突破したのは1チーム。成績はいまひとつ振るわなかった。
 「コンコン、ゴホッ」
 館内のあちこちに風邪ウイルスを撒き散らす。スマッシュでは伊豆松崎合宿以来県東部で流行っていた風邪がクラブ内に蔓延していた。合宿でうつされた風邪ウイルスはその後の練習、新人歓迎忘年会でさらにパワーを増し、とうとう混合団体戦には最高潮に達していたのだ。われわれに勝ったチームも勝ち運ばかりでなく、ウイルスまでしっかり渡されていた。悪いことをしてしまった。幸いなことに今回のウイルスは熱はほとんど出ない。治るまでにはちょっと時間がかかるが熱がでるよりましだ。良性のウイルスで本当によかった。
 スマッシュのチーム名は韓ブームにあやかり スマッシュ ペ ・ ヨン ・ ジュン ・ 様 の名前を拝した。参加チームの名前もかなり変わっていた。広大な宇宙をテーマにしたチーム名やお酒好きなクラブがわかる、クラブ ひとみねーさん。なんてのもあった。楽しいチーム名が並ぶようになった。混合団体戦はいつ参加しても楽しい。勝っても負けてもクラブの結束は高くなる。
 「あ〜っ!!」 なんてこった。
とんでもないことがおきていた。クラブ1部で参加していた自称25歳、セレブたちがおそろいの水色スコートを穿いていたのだ。長い手足にスリムな腰周り。バドをするために生まれてきたような体形。凄く似合っている。参加男子ばかりでなく女子の注目も一心に集めていたのだ。西山口のA山さんも同類が出来たと大喜び。スマッシュセレブ達は年ごとに何があっても動じない太く逞しい精神が鍛えられている。この姿を見た審判にいきなりフォールトを取られないで本当によかった。
 今回の大会では本当によかったことが数々あった。
 
12月19日(日)  晴時々       甲府山の都アリーナ
 「お客さん、車検切れてますよ。ふた月前に・・・・・」
燃料補給に行くとスタンドのお兄ちゃんが見つけてくれた。
 「おかしいなあ・・・ 親切がモットーのモータースにたくしてるんだけど・・・」
三菱なんで車検も切れが早い。
 日本リーグが山梨甲府市で行われると聞き、私用を兼ね観戦に行った。大会は9時から予定されていたが、試合が始まるのは12時過ぎだった。試合前にはさまざまな行事が入っていた。シャトル飛距離の点検、選手の公開練習、開会式、子供達と選手のアトラクション練習会、サイン会などあっという間に時は過ぎた。開会挨拶では県協会の方が山梨のバドは停滞しており、「なんとかしにゃあいかん」と日本リーグを開催した趣旨を述べていた。アトラクションでもバドの将来を子供達にかけ、小学生を50名くらい集めていた。小学生といっても中にはかなり形が出来、すばしっこく、とても敵わない子が数多くいた。そんな子供には実業団選手といっても容赦はしなかった。タイミングを外したり、思いっきりディセプションをかけている。子供達は目が点なりバドに対する見方がかなり変わっただろう。
 女子は4戦全勝の三洋電機と4戦全敗の三菱電機が対戦した。結果は全日本選手権大会優勝を飾った潮田:小椋組擁する三洋が圧勝。応援合戦でも三洋に軍配が上がる。両チーム何が違うってまず第一に体の大きさが違っていた。動きも素早い。あれじゃあ堪ったもんじゃあない。負けはしたが三菱の選手も一生懸命だ。コーチの助言に目は真剣で一言一句聞き漏らさない。あの真剣な眼差しに感動した。あの実直、真剣さを三菱の経営陣も見習って欲しかったもんだ。
 男子はNTT東北、ジャトコ、日本ユニシス、大阪トリッキーパンダーズほとんどの選手がネットから上に顔が出ている。スマッシュのバドとは大違い。バドはバドでも別の世界だ。男子の試合を見ても余りにも凄すぎ勉強にならない。
 大会観戦にはバドラーが1255名集まった。お楽しみ抽選会もあった。ラケット、バッグ、靴下など。スポンサー、実業団有する会社より数多くの景品がそろえられた。抽選番号が発表されるたびにどよめきが沸く。ヨネックスラケットでは当選者が現れず3回も再抽選された。結局遠路はるばる行ったのに何にも当たらず、実業団の選手の試合を見、感動し、脳裏に刻んでも会場を出るや否や忘れてしまった。とほほ。
12月24日(金)      浜北市民体育館

2005年

 年の瀬、最終金曜練習日には部内団体戦を行っている。
今年も趣向を凝らしていた。クリスマスイブと重なった。
イブがなんであるかホントのことはよくわからないが、家族揃ってケーキ
とともにクリスマスを祝う。ここに集まった部員は家族団らんよりも
部内試合を選んだ。サンタを信じる年端もいかない子供達を連れ
参加する部員もいた。スマッシュ部員はなにをおいてもバド好きが多い。
さすがにいつもの練習より人数は少なめだが部員大いに楽しんでいた。
 「え〜、今回の団体戦はラリーポイント、勝ち負けは各チームの
勝敗でなく、総チームの合計ポイントで争いますのでよろしくお願いします。
え〜、責任者の方はエントリー用紙を試合の前に必ず出してください。
松崎合宿みたいに相手チームを見て自分達のチームを決めるズルッコは
いけません!」さすが企画部長マーくん。スポーツヒューマンは正々堂々、
フェアプレー。姑息ではいけないのだ。スポーツヒューマンは人生観においても
スポーツヒューマンシップにのっとった行動を学んでいく。フェアプレーを
身につけるには日常欠かさぬ精神修養が必要なのだ。
スポーツヒューマンでなくても"人生いろいろ、人さまざま”なんて風潮に惑わされず、周りのものに気を配り、いたわることに骨身を惜しんではいけないのだ。
 ゲームは5分間。タイマーが用意されていた。いつもの練習とは違いメリハリのある時間がすごせた。
 「よーわからん」
スマッシュ創部以来初めての試み、ラリーポイントにあちこちで頭がこんがらがってる。ラリーポイントは30分で終った。大会ではミスで自滅するスマッシュ部員にとっていい企画だったのになあ。普段の練習で再度挑戦するのもいいかもね。で、結果は前半優勢だったBチームが後半緩み、かろうじて勝利を手にした。でもこれからが勝負だ。勝ったBチーム内で5足限りの靴下ジャンケンが始まる。勝ったといって万歳して喜んでいられない。次の戦いが待ち構えていたのだ。勝チームは持ち寄りプレゼントの選択権が与えられている。
 「ふんふん 多分これお酒みたい。この包装見たことあるし、おんなじ大きさだし。」酒木さんは自信を持ってプレゼントを選ぶ。が、セレブであってもことは思いどおりに進まない。ここは家庭とは違うのだ。お酒をたしなまないトッコの手にお酒が、お酒好きの酒木さんの手には”お肌スベスベ”ボディーソープが。スマッシュ部員は頂いた持ち寄りプレゼントの品定めに余念がなく、楽しかったゲームのことはすっかり忘れ去っていた。
5月22日(日)   のち     浜北グリンアリナ
 第35回浜北オープンダブルス大会をグリンアリナで行った。大会では愛知のクラブやスマッシュ卒業生が遠方よりやってきた。手前勝手ではあるが、大会運営も今までに多くの経験を積み重ね、上手くいっていた。期待にそわなかった点もある。今回初めてシニアの部を設けたが、男子の参加だけに終ってしまった。考えてみると”シニア”の名前付けがいけなかったにちがいない。家庭婦人を中心にした女子選手に向かって”シニア”呼ばわりでは拙かったのだ。”シニア”の資格いや自覚があっても、参加したとたん周りからは”シニア”のレッテルを貼られ一気に老け込んでしまう。家庭婦人が堂々と参加できる名前と特別な賞品を考えんといかんかったのだ。
 スマッシュの成績は3部を中心にかなりのものだった。男子ではマッキー、タックンペアが優勝、のんべ、マー君ペアは三決を勝ち抜く。女子ユリチン、さっとんペアも優勝した。女子の活躍も目立った。前回大会に引き続きおニュウのスコートを買い揃えていたのだ。前の大会では自分のスコート姿に自信がなく、一挙手一投足に観戦者の目にどう映るのか心配でならなかった。今回は試合に集中している。どんな格好をしようと注目されていないことがよく自覚できたみたいだ。
 チームの応援をしていると後ろから際立った打球音が聞こえてくる。愛知の女子選手たちがクリアを打っていたのだ。ラケットの面使いやら、肘の使い方やら体のこなしがこの地方では余り見られない。浜北大会ではオープンで行われるため県外からの参加者も徐々に増え始めている。スマッシュクラブの技量も少しずつ上がる効果もあるだろう。
 大会開催では準備の他に当日の運営もかなりの作業量になる。前勘定奉行、ケガのりかぴょん、エッちゃん、トントンは常勤本部席に。早々と試合に負けたものは本部に寄り作業をこなしている。賞状の筆書きは大変だ。大会終盤になると入賞者が次々と決まってくる。選手の名前を一字一句間違えずに書かなくてはならない。一人黙々と机に向かっている。大会や本部席裏の騒々しさの中で試合以上の集中力が試される。入部以来トントンがその役目を担っている。賞状書きの緊張から解けたとたんゴミジャンケンが待ち受ける。今回もジャンケンに負けたトントンは大会が産み出したゴミを自宅にお持ち帰り。同情はしても誰一人としゴミを請け負う部員はいなかった。スマッシュには人の成長を待つやさしい部員達が揃っている。
 5月29日(日)      浜松メインアリーナ
 浜松団体戦が浜松アリーナで行われた。男女各8チームで部分けされ、男子8部、チーム数68、女子5部、49チームが参加した。上位の部では、下位2チームはその下の部2チームと入れ替えになる。最下位の棄権チームは否応なしに降部しなければならない。大会は女子バドラーの立場を考え、女子の部は午前中、男子は午後より始まるよう工夫されている。スマッシュ部員の結束は固い。男子部員は女子チームの応援のために女子選手達よりも随分早く、続々と集まっている。いち早く会場に着き、笑顔で女子部員達を待ち受ける。クラブではお嬢様セレブ、家庭婦人セレブ達はいつでもどんな時にでもセレブでいられる。男子部員の気配りだ。セレブも普段から時間やマネー、お仕事探しには惑わされていない。
 スマッシュからは男女各2チームが参加した。女子Aチームは団体2部に登録されている。浜松協会で個人女子1部に何人の人が登録されているか判らないが、1部の女子部員がいないスマッシュでは我を捨ててのクラブへの結束が団体2部維持の大きな力になっている。
 「えへへ!棄権チームがふたつあるじゃん。」
男子Bチームは緩む。女子Bチームももうこれ以上下がることはない。スポーツでも気の緩みは禁物だ。が、毎日毎日緊張ばかりしていては生活できない。われわれの知らないうちに成立した様々な法律は必要以上に緊張を迫っているのだ。毎日が緊張のしっぱなしで、ここぞとすっかり緩んでしまった男女Bチームは全敗。悲惨な結果に終ってしまった。市民にとって生活自衛の為の”緊張と弛緩”、これを上手く使いこなすことが重要になる。男女Aチームは図太い部員に占められている。毎日の緊張にも耐え、棄権チームもない中で降部の緊張にも耐え実力以上の部を維持した。
 この半年間余り練習には参加できなかった。先達てやっと農繁期、お仕事から解放された。半年間部員達を見ていない。大会でこの間部員達がどんな成長を遂げているかよく分かる。技量や体力が目を見張るほど上がった者、そのまま維持していている者、時間とともにそれなりの者。これからの半年間のあたしの練習目的、課題となる。
 大会の反省会を恒例”せんざん”で行った。
 「どこかこの辺でいい仕事ないかしら?」
はるばる県中部から応援にやってきた与羽娘は今まで在籍していた”スマッシュ”に取り付かれ、県西部でのバド生活を送ることが夢みたいだ。話を進めると、豊かであるはずの”先進国”日本にとって若者が就職し、生活を維持していくにはかなり難しいみたいだ。近年成立した、大企業には至れり尽くせりの様々な法律が働く者の権利を侵している。スマッシュ内でも先進国欧米では考えられない、”家族を離れ離れにする単身赴任””サービス残業””出向””フリーター””派遣社員””度を越した深夜労働”の仲間が数多くいる。幸いに”過労死”こそないが、われわれ”人間”にとって不幸で考えさせられる。
 「う〜ん 与羽娘が理想とするクラブを中部で作ったら?」
 バドクラブを作ることは意外と簡単に出来る。作る事は易しいが、クラブを維持していくことは難しい。気の長い、気のいい仲間つくりも必要だ。スマッシュは本当に恵まれている。
 6月 5日 (日)  晴   袋井市エコパ・静岡アリーナ
 袋井オープンバドミントン大会がエコパの静岡アリーナで開かれた。集まったチーム数はなんと148。県西部でもかなり大きな大会になっている。このアリーナはバドコートが25面設置されている。 毎回県中部地方からも多くのチームが参加するため、浜松大会では見なれないチームも集まって来る。新鮮に映る。試合が始まればいつもに増して心地よい緊張感がはしる。大会は各ブロック6チームのリーグ戦で行われる。夕刻まで5試合を戦い続ける体力が必要になる。スマッシュからは4チーム、合同のチームを入れて5チームが参加した。
 各ブロック一斉に始まる。チームはブロック内で試合をしながら主審、線審の役割を果たすよう仕組まれている。チーム役割分担表も手渡される。他チームの応援はほとんど出来ない。気の緩む間もない。大会の運営は各ブロックで責任を持たされているため実に順調に進んで行く。浜北大会運営の良い教訓となる。
 「あ〜っ!ダイアの松ちゃんとイサニイだ!」
同じブロックにダイアクラブを見つけた。ダイアクラブの創立に関わったモンとしてダイアには特別な入れ込みがある。ダイアクラブも初心者を中心に作られた。今ではかなり実力も伴い、和気藹々としかも週4回の練習日を設けている。スマッシュ創立時の理想とした、週7回練習、「あそこにいけばいつでも練習!」に近づいている。いずれ松ちゃんチームと対戦しなくてはいけない。松ちゃんチームにはなんとしてでも負けられない。バド経験年数ではあたしの方がずっと長いのだ。が、力はあたしが練習サボっている間に二人ともかなり上をいっている。
 第一試合見慣れない県中部のおじさんチームと当たる。初物にはめっぽう弱い”気弱な家系”チームは存分にその血筋を発揮。出だしはかなり良かったものの最後はあたしが狙われ、残念な結果に終ってしまう。が、その後、次第に調子を取り戻し何とか勝ち進んだ。リーグ戦ではたとえ一度は負けようともその後の展開では1位への展望も開かれることもあるのだ。
 ダイア松ちゃんチームは頼りがいがある。最後の最後、中部おじさんチームに勝ったのだ。これで同率で1位。で、本部に駆け込むと
「残念ですがあなた達は2位です。」 2位でもうれしい。
 参加スマッシュチームは、酒木&与羽娘優勝!富巫女&さっとん2位、はるばる神奈川からやってきたマッキー&ポッター、モーリー&テラッチも大健闘していた。
 「反省会、僕んちでしましょう!材料用意してますから。」
帰路モーリー宅に立ち寄った。揚げ物やら煮物、焼き物を終え、さあこれからという時、
 「足すりすり、足ひらひら」 テレビでフトモモダイエットが始まる。フトモモには自信があるスマッシュセレブは画面釘付けになり大会の反省はちっとも出来なかった。
 6月11日(土)       大阪中央体育館
 「全日本実業団バド選手権見に行きませんか?夜はビール飲みながらタイガースの応援です・・・!6月ですから・・・!」
 まだ仕事が忙しい4月半ばメールが入ってきた。
 「ははは、もう券も買ってあります。新幹線ぷらっとで行きます。」
すっかり足元を見られていた。
 大会は大阪市の幾つかの体育館で分散して行われた。全国から男子154、女子32チームが集まっていた。入場は無料。団体編成は細かい規定はあるが、各都道府県の同一の事業所に勤務している者で選手4〜8名からとなっている。沖縄・宮崎・鹿児島・佐賀・徳島・和歌山・山梨のチームは見当たらない。今のところ実業団の大会となると大企業や国・地方自治体の事業所に負っている。大会方式はリーグ戦で勝ちあがりトーナメントである。勿論実力のあるチームはリーグを戦うことはない。シードされている。勝敗は2ダブルス3シングルで3勝先取で決まる。大会2日目まではリーグ戦が行われる。リーグ戦の中でも実力は様々。勝ってもコーチ・監督に説教され、頭を下げ聞き入るチームもいれば、負けてもニコニコしてコートを去るチームもある。大会3日目からはトーナメントが始まる。シードされた実力チームが参戦してくる。
 練習嫌いで楽して技を習得しようとするモンにとっては大会終盤の選手のプレーの”刷り込み”が重要になる。会場を見渡すと一箇所だけが黒山の人だかり。ビデオカメラやデジタルカメラを持った人ばかりだ。どうみてもバドのプレーに集中しているとは思えない。
 「SANYOチームは何処?」
なんて会話も聞こえてくる。女子ダブルス潮田・小椋組が目当てみたいだ。中にはほとんどバドのルールも知らないで、でっかいカメラを抱えてやってくる人もいた。潮田・小椋組は最近マスコミの話題になっている。大阪のあちこちに潮田選手入りの大会ポスターが張り出されてもいた。二人とも美人で可愛い。しかも強い! 人気があるのも当然だ。ことはどうあれバドの話題が多くなり、バドが盛んになって欲しい。おかげでワタシもすっかり影響され、ファインダーを覗き込み、”刷り込み”どころではなかった。とほほ。
 昼はバド観戦、夜はビール片手に弁当を食べ、タイガースの応援。タイガースファンバドラーにとって至福の時間を過ごした。この3日間昼夜観戦し、タイガースは勝ち続けた。帰路いろいろと考えた。同じ全国レベルの戦いなのにあの甲子園での大観客の盛り上がりぶりと、大阪中央体育館での閑散な観客席の違いはなんだろ?
 帰宅すると神戸飲みっちゃから
「次回は名古屋ですから・・・・」のメールが!
長年苦渋に耐えたタイガースファンは今だけでも!と盛り上がる。