6月18日(土) 晴 八剣伝浜北駅前店 新人歓迎会
新人歓迎会を行った。普段なら新人を溜めに溜め込み年に一回行っていたが、今回は気合が入っていた。半年経たずに行ったのだ。日にちははっきり決まっていなかったにもかかわらず、スマッシュ部員も万障繰り合わせた。
「う〜ん なんか様子違うなあ」
気合は入っていたのだがなんだかちっとも意気が上がらない。様子が違うはずだ。女子部員の入部が無く、色香が足りないのだ。男子メンバーの意気は上がらない。
乾杯が終ると新人の自己紹介が始まる。スマッシュ部員達は新人が入れば直ぐにニックネーム付けを始める。普段の練習ではその”人となり”まで触れ合うことはなく、こういう場を借りてニックネームの足がかりをつける。
もーさん、モリゾー、みいちゃん新入部員は可愛い名前をつけてもらっていた。
「えへへへっ!」
意気が上がらない男子部員の中で一人だけ楽しそうにしている部員がいた。松崎合宿では妻子から離れ、野放し状態になりツブレンジャーと化したアーニーだ。合宿では大失態を演じたアーニーはちゃっかりスマッシュに咲いた一輪の花、ユリチンの隣に鎮座していたのだ。酒中!油断の欠席!を尻目にユリチンを独り占め。酔いに任せユリチンの肩にまで手を伸ばしている。男子部員達は羨望の眼差し、どんなにお酒が進もうとも酔うことはなかったみたいだ。失望の色も隠せない。
「あれ〜っ あの人だれ〜?」
新入部員達は練習では見たことのない顔を見つけていた。りかぴょんは最近練習に参加していない。影が薄くなっている。全治数ヶ月?、バドの出来ない体になってしまっているのかもしれない。バド出来ない状態のりかぴょんは飲んだ、食った、シャベッタ。ここぞとばかり弾けていた。みたいだ。バドラーにとってケガは避けられない。普段からケガをしないよう筋力強化し、柔軟な体つくりをしなくてはならない。週2回の練習時にも、体をいきなり動かすよりも、「今からバドしますよ〜」ってな具合に体に言い聞かせ、ランニングなりストレッチなりそれなりの対策をしなくてはならない。みんな歳なんだから!息の長〜いバドラーになって欲しいのだ。りかぴょんは部員のいい教師となった。りかぴょんもケガには悪いお酒を断ち、お医者さんや旦那様の言うことをよく聞いて治療に専念し、再び一緒に練習が出来るよう頑張って欲しい。みんな待っている!
立つ瀬のない男子部員達を従え、女子部員達は乾杯からデザートまで新歓を終始リード!ここに来て女子部員達の振る舞いが一層際立ってきた。
「あれっ 今日酒木さんはどうしたの?」
いつもニコニコ笑顔、クラブの練習は滅多に休むことのない酒木さんが練習に顔を見せていなかった。この何年か出席率9割以上を誇る。勿論酒宴やらの企画ものにもほぼ出席!スマッシュの”顔”だ。時たま欠席すると周りのみんなが心配する。
「酒木さんは浜松レディースの理事会があるみたい。」
理事会での難しい話よりバド練習のほうが魅力的だったに違いない。そこを押して理事会に出席していたのだ。頭が下がる。
「公休ね!」
今日から”平成の大合併”でこの浜北も浜松市になった。2年後には政令指定都市に予定されている。新浜松市人口は約80万人で政令市でも下から二番目、面積は約1500平方キロで全国で上から二番目みたいだ。多分。政令市になれば県に近い行政裁量を委ねられる。他の”本物”の政令指定都市に比べ人口密度が約500人と半分にも満たない。広い面積での県道やら県の施設やら県の借金やらを受け持たせられる。地方紙によれば判っているだけで数百億円の負担増が決まっている。いっそ浜松県になってしまったほうがいいみたい。物議をかもしている空港は”静岡県”に任せるのだ。スポーツや文化、福祉、教育に対する予算も増額できるに違いない。子育て中の主婦も行政の援助で子連れでスポーツ、文化活動に参加できる。主婦の育児ストレスを軽減し、子育て支援も可能になるのだ。グリンアリナ振興公社の”おじさん職員達”からステレオで状態で怒鳴られなくてすむ。常駐かつ過剰人員、高飛車おじさん2人のうち1人を保育士さんにするのだ。
県知事、浜松、浜北市長の在籍中に”中央からの政治がらみの無駄な箱物”にどれだけ借金を増やしたか定かではないが、その責任もうやむやになる。静岡市民が言っていたが、合併によって一番いい目にあうのは市長等三役、議員、役職の高い公務員だそうだ。報酬が格段と上がるみたいだ。痛い目にあうのは住民だ。新市になり、いっそうの負担増が予想されている。
部員達は浜松市民になったのを”誇り”に一層練習に熱が入る。日曜日に予定されている浜松オープン混合大会が開かれるのだ。スマッシュからも6チームが参加する。会場も地元グリンアリナで開催される。地元であるだけにここは頑張りたいところだ。大会といえば、この合併により浜北在住在勤のバドラーは浜松市スポに参加できる。今までなんで参加できなかったかわからないが、合併もちょっとはいい事あるみたい。市スポに出たいがためにわざわざ浜松市に職を求めなくてもいい。浜北市はなくなり、クラブの名前や主催大会の名前はどうしたらいいんだろ?いままで浜北市のスポーツ振興課にいいよう丸め込まれてしまったが、グリンアリナのラインやラインポイントはどうしたらいいんだろ?
7月3日(日) 曇 後 雨 グリンアリナ 浜松市混合オープン大会
浜松市混合オープン大会がグリンアリナで行われた。オープンで行われるため浜松協会に登録されてない者も参加できる。部別でもオープンのため協会1〜3部混在となり戦われる。今回の参加チームは53チーム。スマッシュからは6チーム参加した。大会の形式は3・4チームのリーグ戦勝ち上がりトーナメント戦となっている。
スマッシュからは与羽娘:ポッターチームがトーナメント戦に抜け出した。勝ち上がれなかったとはいえ、酒中:さっとん、ちいちゃん:酒木、マッキー:富巫女チームはそれぞれ1勝1敗。3部のマートン、たっくん:ユリチンチームは2敗だったが頑張っていた。
「動きが違うなあ。」
オープンに参加した3部登録者は勉強になる。時々スマッシュの練習に姿を見せる実業団経験者タルさんの動きをみている。「あん時あーしてこーしてる。」 得るとこあったみたい。
スマッシュの1部登録者は大変だ。クラブ練習で相手が出来る部員がいないのだ。ジャンケンポン状態で”和気藹々”と試合をしなければならないのだ。1部のペースでショットを打てばほとんど返球されてこない。スマッシュは3部登録で、社会人になりバドを始めた初心者が圧倒的に多い。たまたまシャトルがラケットに当たりレシーブされたとしても相手が待ち受けたところに返球するのが精一杯。普段から組み立て、ラリーの続く戦いから縁遠いのだ。協会の大会でも本来持っている豪打や技の切れも目を覚まさない。覚ます頃には試合の終盤になっている。スマッシュ1部は精神的に試される。
スマッシュ3人娘はかなりワガママ。スマッシュセレブに習っている。いつも相手をとっかえひっかえ大会に臨む。う〜ん???。違う見方すれば・・・・・ 酒中は気が置けない。ちゃっかり可愛いさっとんを。まだ入部1年も満たないたっくんはクラブの華ユリチンをゲット。与羽娘は年若いポッター君を。おまけに酒木、富巫女はやっぱり年若いちいちゃん、マッキーに牙をかけた。う〜ん???。よく分からないがみんな楽しくゲームをしている。
「来年度からスマッシュからは協会理事を2名出してもらうからね。モーリーと・・・・。わかったね。」
協会理事から伝えられた。
「え〜っ!まだ登録者整理してないし・・・・」
酒木さんが反論すれば、
「だめだめ!大会の参加者多いんだから。」
とんでもないことが言い渡された。
スマッシュ部員はバドでは俊敏ではないが、こういう時には逃げ足が速い。高い壁は横からすり抜ける。深い谷は足をすくませ後退する。今回ばかりは・・・・・。
スマッシュ一日練習会を豊岡体育館で行った。このところスマッシュではこのような企画は催されたことはなかった。遠い昔、技術部があった頃には年に何回かはレベルアップのため練習会を行っていた。普段のクラブ練習では試合形式の練習だけになっている。合宿や一日練習会は基礎的な練習や応用練習を集中的に行い、バド技量や体力を付け、大きな効果がある。セレブたちの声にも押され企画部は万全の準備をしていた。会場はユリチンが手配した。真夏の練習会とあって他の企画部員や部員はそれぞれ冷たい飲み物やら食べ物を用意した。熱中症も心配なのだ。のんべさんが時折スマッシュの練習に参加している、ゼビオのタルさんに一日練習メニューを頼み、手に入れる。マー君、チーちゃんは時間割を作り、実践化する。 「やっぱこのDVDはいいなあ。」 ”見て上手くなる”なんてDVDを見て練習会に役立ていた。
「なんか面白いことあった?」
かなり遅刻してきた部員が聞いていた。 「やっぱりドッチボールかなあ?」
スマッシュ合宿とは違い、握り方からハイバックまで、みっちり基礎的な練習が続いていたのだ。部員が飽きてしまうことを心配した企画部員は昼休みレクレーションを用意した。異様に燃えあがった。が、部員が基礎応用練習に飽きることもなかった。試合形式の練習もしたが応用練習のほうが人気があった。
練習会には他のクラブのバドラーもやってきた。スマッシュの練習にやってくるビジターは本当に気がいい人たちばかりだ。応用練習になるとビジターやクラブ1部所属の部員が各科目グループに散らばる。上級バドラーには先生の役割を果たしていただいた。自分の練習をしたかっただろうに。実にありがたい。
「こっちのほうが面白そう!」
なんて動きのきつい科目から抜け出し、楽そうな科目にやってくるセレブもいた。が、みんなそれぞれ弱点克服に力を注いでいた。一日バド三昧に明け暮れ充実した日を過ごした。
参加された部員の皆さん!お疲れ様でした。企画部員の皆さん!ご苦労様でした。
ビジターの皆さん!指導ありがとうございました。
次回があるといいなあ!!
掛川市大東で第8回大東オープン大会ミックスの部が行われた。大会はAからEまでのグループに分かれ、各グループでは3チームによるリーグ戦、勝ち上がり決勝トーナメントに進む。参加チームは72チームだった。スマッシュからはAブロック1チーム、Bブロック1チーム、Dブロック2チームの計4チームが参加した。
成績はかなり良かった。Aブロックでは北部クラブ野沢さんとモーリーが3位を飾れば、Bブロックちいちゃん、酒木組は準優勝。Dブロックのタックン、さっとん組は優勝。同じくDブロックのノンベさんは超初心者ユウとともに決勝トーナメント進出。大活躍だった。
優勝商品も地元の農産物、品地場産品のスイカだった。大変失礼だが浜北大会を含め”ローカルの大会”は楽しい。レベル差を考えながらオープン大会で催されている。超初心者も楽しみながら参加できる。
大会終盤になると卒業生マッキーが応援に駆けつけていた。空いているコートは練習会場に早代わり。汗をかいていた。
大会は長時間に及んだ。最後の最後まで熱戦を繰り広げ体力を使い果たしていた。帰る頃はもう夕方。
「なんかお腹がすいているようでいないわ。」
「そうねぇ、軽いお蕎麦にしましょうか?」
磐田のお蕎麦屋さんでの反省会を開いた。男子諸君はもうヘトヘト。食欲が失せている。
「ズルズルズルー」
スマッシュセレブたちは凄い!男子がちっとも食が進まない中、食べ始めたらもうとまらない。
「あと2・3杯は軽いわ!」
スマッシュセレブはいつも元気一杯。
スマッシュはこれでもっている。
「サト君、郷里に帰っちゃうみたいだねぇ」 練習日たまたま隣にいるユリチンに話しかけた。
「お盆休みなの?」
「いいや、向こうで職を探すみたい」
「えーっ、それじゃあお別れ会しないと」
ユリチンの一声で緊急お別れ会がつぼ八で催された。ユリチンは仲間思いで気が優しい子だ。サト君のスマッシュ歴は一年に満たない。存在感のある青年だった。クラブでの役割はシャトル管理と簡易ネット管理。週二回の練習で満足に使えなくなっているシャトルを整理していた。そのおかげでクラブ員は心地よく練習できていた。
サト君の郷里は九州日田。女子のレベルは実業団クラスで高いそうだ。派遣社員としてこの地に長い間勤めていたが、離職を選んだ。働く能力があるにもかかわらず青年が生活を維持するにも大変な世の中になっている。 宴会中、トントンと背中をたたかれた。
「アベです」
「え〜っ、アベチン」
思わず頬が緩んだ。後ろを振り向くと見知らぬおっちゃんがいた。
「今度民○党から衆議院に立候補しました」 「あ〜ユウビンキョク民営化反対したとこね。」 「民営化には反対してません」 う〜、どうも判りにくい。
「何で民営化なの?」 「税金をつぎ込んでいるから・・」 「だってあそこは独立採算で黒字が出てるんじゃあ・・・、税金は使ってないよねぇ・・」 「財政投融資で・・・」 「それは政府や特殊法人が無駄使いをしてたんじゃあ・・・」 「まだ勉強中で・・・・」
なんだかんだ民営化の理由を言っていたが、本当の理由はアメリカの投資会社と日本の銀行、保険会社が340兆円ともいわれる郵便局の「金」を狙っているのだ。政府は「支払い保証」も無くすともいっている。あれこれ国民の為だと民営化の理由をつけようとも説明がつくはずがない。なけなしの金を託している預金者、郵便局利用者、国民が最大の被害者になる。マスコミも投資会社がスポンサーだから本当のことは伝えない。我々にとってもっと大事なのは郵便局の民営化より、選挙の終った後の大増税だ。政府の打ち出している徴税政策では標準家庭で年80万円、独身で年収400万で15万円を上回る増税になるとされている。民○党も消費税大幅アップと各種所得控除の廃止を訴えている。そんなに増税されては我々バドラーの生活が圧迫される。たまったもんじゃない。家計は緊縮され、ラケットやシャトル、ウエアやが存分に買えなくなってしまう。みんなの楽しみ、大好きな宴会も減ってしまう。バドどころではなくなってしまうのだ。ただでさえ生計が苦しい人たちが増えているのだ。静岡7区の小選挙苦民は誰を選んでも”(進むも引く)も地獄の選択”になる。 う〜、話が重くなってしまった。
「サト君、お別れの感想は?」
「みなさんに迷惑をかけました。お付き合いありがとうございました。ただ残念なのは団体戦で昇部させられなかったことと、こんなに早くこの地を去ることになったことです」 サト君は郷里に帰っていった。
有志による”夏ビア”を行った。夏ビアは今まで何回か計画されていたが3度目の正直、とうとう8月末にまで持ち越された。
「え〜っ!何してるんですか? もーやってますから!」
モーリーから”早来い”携帯が入る。まだ定刻より2・3分しか経ってないのにぃ。モーリーは高校生活に別れを告げ、練習にも早くやってくる。バドも人一倍熱心だ。会場に着くともう既に10名近い部員達が集まっている。来ないはずだったユリチンが笑顔で迎えてくれた。ちょっと出遅れたばっかりにユリチンの側にはチーちゃん、モーリーがガードしている。参加者が増えるたびに乾杯の音頭が続く。
「あれっ!りかぴょんだ」
りかぴょんは練習には顔を見せない。見せられないのだ。大会で足首を痛め、治ったと思いきや、練習で膝を痛めた。家庭でもバドを忘れてしまったらしく、話題にもならないみたいだ。
「支払いは済ませたんだろうね」 誰かが小さい声でつぶやく。
ヒィちゃんもやってきた。 「わたしちゃんと払ってきました!」
浜北のビアガーデンはプラザだけ。田舎町だ。美味しい料理も並べられている。
「ナスは食べれんなあ」
「え〜っ タッキーも食べれられんの?」
りかぴょんは大の偏食家。あれもこれもダメ。取分け野菜は口に合わない。タッキーも負けず劣らず偏食家みたいだ。食べられないものもそっくり。偏食で意気投合している。
「『何でも食べんと大きくならん』とか言われたけど、そんなことないなあ。」
タッキーはスマッシュ一のノッポ。
「変ねぇ!わたし子供の時から何でも食べてたのに」
ヒィちゃんはスマッシュで一番小ちゃい。
隣のマッキーと話し、いざ飲もうとしたらジョッキがない。あ〜っ酔っ払っちゃたなあ、なんて思っていたら、さっとんがビールを一杯にして運んでくれていた。さっとんってよく気が付いて、力持ちなんだなあ。宴会やら行事やらすると部員達の一面に触れる。普段練習では見られない面を覘かせる。
セレブが出席すれば何か仕出かすし、話題に事欠かなくなる。
「酒木さん変です!出来上がってます」 珍しく酒木さんが顔を赤くしている。
「元取ったぞ〜 これでジョッキ6杯〜」 周りのモンは酒木さんの酔った姿なぞ見たことがない。どんなに飲もうともお酒に飲まれることはなかったのだ。25歳の若さがそうさせたんだなあ。
「え〜 皆さん本日はご来店ありがとうございました。ビアガーデン最終日であります・・・」
スマッシュ部員はやっぱり今日も初めから最後まで居座り、店長の”早く帰れ”コールをモノともせず話し込んでいる。
9月の半ばまで30度を越す日が続いていた。昨夜、台風が伊豆沖を通過した。空は晴れ渡り、空気は澄んでいる。肌を通り過ぎる風は初秋を感じさせる。絶好の行楽日和だ。
浜松ダブルス大会が浜松アリーナで行われた。心地よい外気をさえぎり、暗幕を引き、薄暗く、蒸し暑い館内で熱戦を繰り広げた。参加チームは121チーム。いつもに比べ少ない。スマッシュからは8チーム、12名が参加した。
「もう優勝だよね!」
「決まったも同然!」
となりにいた見知らぬバドラーは会話にびっくりし顔色を伺っている。
タイガースの優勝に有頂天になっているもの同士の会話だったのだ。
「次は20年かかると思ったのに、2年ぶりだもんね。どうしちゃったのかなあ?このままじゃあ次は40年先になっちゃうもんね!」 「ははは」
スマッシュ部員は大活躍!女子1部では酒木さんが健闘した。女子1部トーナメントを見ると、スマッシュ女子の天敵、西山口の青さんと一回戦の対戦相手となっていた。青さんには未だかつて勝利したことはない。催される婦人大会でもことごとく痛い目に合わされている。「もう顔を見るのもイヤ!」状態になっているのだ。
スマッシュにはスマッシュの技量を心配してコーチがやってくる。ゼビオのタルーさんもその1人。今回は酒木さんとペアを組んでいただいた。勿論 2−0 で勝利、今まで負けていた分、喜びは大きい。
中には期待をかけられ散々な目にあったペアもいた。ノンベ、Rペア タックン、マー君ペアだ。スマッシュ3部男子は魑魅魍魎の世界だ。3部は社会人になってからのバド経験だ。バドが何モンだかちっとも理解してない。帰ってくる羽を返すのが精一杯。基礎もまるっきりないのだ。よって動きは自分の鼻に従っている。両チームともスペシャトの大○チームの怪しげなショットに翻弄され敗れ去った。両チームは3部ベスト4が目標となる。
スマッシュチームは次々と敗れ去り、暇になる。コートを見渡すとユリチン、さっとんペアが頑張っていた。続々とユリチン、さっとんの試合に集まってくる。部員達は試合では出せなかった力を二人の応援に入れ込む。甲斐あって3部優勝を果たした。ポッター、北ちゃんは2部準優勝。両チームともそれぞれ昇部はを果たした。
一日バド漬けだった。バド漬けとはいってもちっとも疲れない。昼は知人の高校生のバド応援,、県西部新人シングルス戦の大会が静岡エコパで行われていたのだ。今年の一年生女子シングルスは147名。この数字が多いのか少ないのかはわからないが、社会人の大会に比べると若々しい。西部の大会で5位までが県大会に参加資格が出来る。
「こんちは」
後ろを振り向くと○イアクラブのひーさんだ。○イアクラブには中遠地方の高校生が練習にたくさん来ているみたいだ。次々と高校生が挨拶にやってくる。
「ちょっと、あの人、○江クラブのはーさんじゃあない?」
一階席では熱戦が、二階席では浜松のバドラーは熱い視線を送っている。すでにドラフトは始まっているのだ。知人のまーちゃん、ラケットを握ってまだ数ヶ月。まだまだの技量だったが、あれよあれよという間に勝ち上がり、県大会への道が切り開かれた。
今日はスマッシュ創立20周年、昼はボーリング、夜は祝賀会だった。夜の部では次々と部員達がやってきて席が埋められていく。
「ちょっとあそこ、かわいそうなことになってるジャン」
前の方の席を見るとクラブ事情を知らない新人モリゾー君がセレブたちに取り押さえられている。あれじゃあたまったもんじゃあない。普段育児や旦那様の世話で練習にこられず悶々としていて、ここぞとばかりにはじけている伊豆の踊る子は前に。怪我が重なり練習どころではない伝説の女王りかぴょんは直ぐ隣だ。斜め前にはやっぱり練習には参加できない看板娘が。普段手足を動かしてない分、口は随分滑らかになっている。セレブの周りにはトッコ、ひぃちゃんががっちり固めている。あ〜っ、とうとう富巫女さんまでが退路を塞ぎに。
「モリゾー君、後ろは壁になってるジャン。」 ちょっとやそっとで逃げられない。一時間も堪えていた。見るに見かねた勘定奉行がとうとう救いの手を差し伸べた。
「モリゾー君、こっちこっち」 既に手遅れ状態。目は空ろ、足もふらついている。団体戦を控え男子3部は助け合う。
スマッシュが創立されてから20年が経った。初心者ばかりで始まったが、今では予定者を含め1部4名、2部8名。「今迄で一番多いんじゃあない。」モーリーが言っていた。スマッシュの上級者はみんなクラブのお仕事を受け持ち、下級者の面倒も見ている。クラブ員みんなで力を出し合い、クラブ運営に参加している。これで長続き出来ているのかも知れない。
近隣のクラブの皆さん、今までお付き合いありがとうございました。これからも、どーか、どーか、よろしくお願いします。
トントンが言っていた。「後20年、どうなってるか判らんから、次は5年にしよ〜っ」
「もっともだ!」
「ははは、男子Bチーム、陥落ないじゃん!」
団体戦のタイムテーブルを見たマークンがBチームの仲間に伝えた。男子Bは誰一人上を目指す者はいない。みんな顔がほころぶ。
浜松団体戦、秋の陣が開かれた。今回は、男女とも2チームが参加した。男子Aチームはメンバー編成に苦労していた。部長打凛は急に郷里に帰ることになった。チーちゃん、酒中はこのところ殆ど練習には参加できないでいる。男子BからもAチームから出ることに二の足を踏んでいた。
大会は女子団体戦は午前に男子は午後に行われた。スマッシュ男子は女子の戦いが気になり、既に午前から会場に足を運んでいる。スマッシュ部員は芸に走るものが多く、ギャラリーがいないことにはパフォーマンスがわいてこない。ましてやセレブを自称する女子部員に手を振っておかないと、のちのちどんな災難が降りかかるのかわからない。男子部員は笑顔を絶やせない。
女子Aは初戦こそ負けたものの、順位決定戦には勝ち進み、2部を維持。女子Bでは育児、お仕事が大変で練習には余り参加できない踊る子、くぼっちが頑張る。ひいちゃんはまだスマッシュに入部して数年。まだまだバドミントンに慣れていない。クラブ員から特訓を受けている。課題はプッシュ。今回はエッちゃんとペアを組む。えっちゃんはVの字型活躍をすれば、ひいちゃん前衛に入り込みプッシュを決める。決めるたびにコートの周りから拍手が。コートばかりでない。2階席からも 「お〜っ!」 拍手や歓声が聞こえてくる。りかぴょんを欠いたBチームは善戦の甲斐なく6部に陥落の憂き目にあった。
営業のお昼時間にアーニーが差し入れを手にし、応援にやってきた。さっとんは 「今度これ食べてー」 と、手作りのケーキを持ってくれば、ユリチン「 おっとっと もあるで 」
「ぼりぼり むしゃむしゃ」 2階廊下は菓子だらけ。女子の応援に疲れ、腹いっぱいになった男子Bは調子が出ない。初戦を取れば 「おい、シングルまで回せよ」 全員参加がBチームのモットーだ。一向に意気が上がらず全敗。次回団体戦ではスマッシュテクニカル主治医ぷ〜さん率いるひょうたん島チームと戦う絶体絶命!の羽目に陥った。!男子Aは背水の陣。本来なら男子Bのたっくんを仲間に入れ、部長打凛不在に発奮する。初戦は”絶倫”チーム。相手を悶絶させた勢いで決勝戦まで勝ち進み、団体男子2部に昇格する。男子Aはやっと女子Aに追いついたのだ。
りかぴょんはゆーま君と共に応援にやって来た。愛するカズパのことが心配でならなかったのだ。無事大会も終わり、りかぴょんがアリーナを出ようとした。
「ガチャ」
「おかしいっ!確かに200円いれたけど・・・おかしいじゃん!」
ゲートが開かないのだ。そこに慌てた管理人さんがやってきた。
「お嬢様、まことにも〜し訳ありませんでした。直ちに開門致します。」
「あ〜よかった。」 とんでもない”ゲート事件”に周りの部員達も胸をナゼ下ろしていた。