五輪情報

 柔道 金メダリスト 山下泰裕さんは凄い!
世界で最大規模のフリーペーパー(無料紙)アテネ版は山下泰裕さんとドーラ・バコヤンニ市長が意見広告を掲載しました。 
アテネ・オリンピック期間中、世界の紛争地での停戦・休戦をと呼びかけています。日本スポーツ学会と日本オリンピックアカデミーが中心になっての企画でした。
 
この中で山下泰裕さんは
 「スポーツは他の何物にも利用されるべきではありません、オリンピックはひとつの国がどれだけメダルを取れるかを競う場ではなく、他者との相違を理解し、認め、受け入れる場なのです。紛争がオリンピックを妨害することなく、オリンピックが平和のなかで行われることを希望します」
と語っています。
また、バコヤンニ市長は
「アテネとギリシャは友好と協力の精神で世界中の人々が一つになることを希望します。オリンピックが世界平和と連帯のために人類に大きく貢献することを熱望します」
と訴えています。
 オリンピックは紀元前776年から4年ごとに開催されていた。その頃にもギリシャ都市国家群は例え戦争中であっても休戦して参加しなければならなかった。オリンピックは一つの宗教の行事でもあった。ギリシャがローマ帝国に併合された時にはキリスト教を国教にされたため、オリンピック行事は邪教あつかいされてしまい290数回行われたオリンピックは一時幕を閉じた。
 1896年、クーペルタン男爵により再度復活。世界の国と民族の相互理解の祭典としての道を歩んできている。
が、第一次世界大戦で第5回ベルリン大会は中止された。12回東京オリンピック大会は日本軍部の判断で中止。その後もソ連のアフガン侵攻に抗議して22回モスクワオリンピックを西側諸国がボイコット、23回ロサンゼルス大会ではアメリカの他国抑圧に対し東側諸国がボイコット。こんな歴史があった。最近では商業主義化し、利権にまつわる話題に事欠かなくなっている。
 本来のオリンピックの目的「スポーツを通じて諸民族の友好と相互理解を!」に立ちかえってほしい。アテネの競技場周辺には迎撃ミサイル、エーゲ海の沖合いには軍艦が監視する。とてもオリンピックの光景とは思えない。国を超え、民族を超えたスポーツの交流でオリンピックを平和の舞台になるように力を注ぐことはオリンピック関係者と我々のお仕事かもしれない。自国の獲得メダルを数えるよりも!
 ちなみに参加する国、地域は初めて200を越した。参加選手は1万数千名が集っている。
   
 アテネバコヤンニ市長はオリンピックが平和の中で行われるよう休戦を求め世界の国に休戦署名を求めた。大多数の国の政府はその求めに応じ署名に応じた。が、日本やアメリカなど少数の国の政府は最後まで署名に応じなかった。イラクでの戦闘は続き、一般市民に多くの死傷者がでた。スポーツにとっても世界の平和と友好は何より尊い。