マッスーはドックトレーナー。ワンコが好きで好きでワンコの学校に通った。知り合いになったのは3年前の春、浜北オープン大会の日だった。
 「へぇ~ ドックトレーナーの先生ですか。まだ若いのに!」        「生徒が同年代ですから気を使います。」
 「で、結局今はドックトレーナーじゃなく人のトレーナーになったの?」  「ははは!そういうことです。」
受けた!面白くいい娘じゃん!で気をよくした。ナベちゃんも同じころ入部した。よく宴会幹事でスマッシュセレブのホスト役を演じていた。
 この春先スマッシュ宴会に出かけた時マッスーと会った。
 「マッスーがワッスーになっちゃうの?」   「違います!これからもマッスーです!ナベちゃんのほうがマッスーになるんです!」
 マッスー&ナベちゃんの結婚式がミュウゼ開かれた。会場に着くと宴会小道具を持った部員たちが待っていた。タロマスには内緒のゴールデンボンバー・・・。たっくんが余興係になっていたみたいだ。ひと月前からメールが飛び交っていた。以来事あるごとに歌の練習ダンスの練習。部員たちの特訓が行われていた。
 「わぁ~・・・・綺麗!」
よっちゃんが和服姿でやってくるとシホちゃんも!会場が一層艶やかになる。タッキーから始まったスマッシュ結婚・出産ブームは衰えることを知らない。
バドミントンは適齢期若者のスポーツみたいだ。余興の時間が来た。タロマスお色直し退場で準備を始めボンボンを隠しておく。タックンのお祝いの言葉の中のキーワード「・・・・うれしくて、うれしくて・・・」と同時にダンサー達が入場してくる手はずだ。お面をかぶったり紅白ボンボン両手に部員たちが頃合いよく元気に会場に調子よく入場!大成功だ!アッキーがひどいことになっている。お面にはあき足りず厚化粧、歌舞伎役者のようになっている。会場の超人気者になった。ケーキタイムには授乳母さん達が場外のテーブルに群がる。食欲がなかったキナちゃんもケーキと聞いた途端目が輝く。与羽娘、ヒロりん、さっちゃん、トントン、お皿が隠れるほどケーキをいっぱい並べている。最近の重量オーバーもなんのその、大きな口におさまっていった。
 夜は「8FEET」で祝う会。帰宅し再び浜松に向かう。電車に乗るとタッキー、酒中くんが次の駅ではりえちゃん、りかちゃんが乗り合わせ、終点ではブンちゃんがお出迎え。会場に着くとよっちゃんが得意!の会費集め。職業柄テキパキとお仕事。祝う会世話役、ミッチ、いっちちゃん、カトさんが忙しそうにしていた。適役マーくん司会で宴会ゲームを楽しんだ。
 「へぇ~ ちいちゃんがナベちゃんに魔法をかけて・・・で結婚まで・・・・」 ウラ話に花を咲かせていると・・・・
 「あそこ開いてますよ~!」 酒中くんが誘いにきた。
 「ダメダメ。もうその手には乗りません!」 危うくマッスー学校教え子の女子生徒の橋渡しをするところだった。酒中くんはひとりで女子生徒のもとへ!
 「あ~ナベちゃん 席を空けましたよ~何処に行ったんだろ~」  マッスーは一人ぼっち! 「寂しそうにしてますよ。行ってあげよ~と!」
隣の超真面目風タッキーが腰を上げると酔也ちゃんもすかさず。あ~あ、ぶんちゃん、アッキー、しまいにはアツポンⅡまで次々と新婦マッスーの隣に座り親しげにお話、ポーズまで取って写真に納まっている。スマッシュ男子は油断大敵!っていうか油断も隙もあったもんじゃない。転勤した真面目なカトさんは遠路、結婚式・祝う会に参加したばかりでなく、みんなの為に祝う会準備までしていた。カトさんっていいひとなんだなぁ!マッスーの隣に行かなかったし!
 結婚式では隣にキナちゃんがいた。久し振りにお話もできた。
 「日記書いてくださいよ!」
 「ハハハ、この2年殆どバドもしてないし・・・ノリも悪くなっちゃって・・・」 叱咤激励され またまた冴えない今日の日記 ここに至った。とほほ

 

 おっくん、よっちゃんの結婚式がグランドティアラで行われた。クラブでは今年に入りタックン・ナオチャン、ナカリョウ・カッチに続き3組目の式になった。式場に着くとキナちゃんの手作りの花籠が待っていた。キナちゃんは初めての出産、愛息9月誕生で育児にてんてこまい。昨年以来の部内結婚ラッシュ。で、出産ラッシュが続いている。
 「おっくん かっこい~~・・・」
周りの女子達が囁く。おっくん達が白いスーツ・ドレス姿で入場してきた。おっくんは手足も長く、背も高い、イケメンだしスタイル良い・・・
ボクより・・・・。すらりとしたバドミントン体型。カッコよかった。隣ではよっちゃんが今まで見たこともないような満面の笑みを浮かべている。讃美歌とともに式も無事終わり披露宴。隣で部長ガミーが紙片を何度も取り出し黙読、そわそわしている。
 「・・・何ししてるんですか?」
 「・・・・乾杯の音頭を頼まれました。・・・今年から部長を引きうけて・・緊張します。」
隣ではマークンがニコニコしている。来賓の挨拶も終わりガミーの番になった。
 「乾杯の音頭をお願いされました。僭越ではありますが、・・・・」
ガミー君、卒なく乾杯の音頭もこなした。照明に照らされ、額の小粒な汗が光っていた。
 よっちゃんは浜松出身、よっちゃん家族は浜松祭りが大好き!地域の人達30名がお祝いに駆け付けた。会場入り口が開くとラッパ隊が入場、聞きなれた調子のいい鐘のリズムが式場内に響く。『練り』が始まった。よっちゃんの弟さん2人がラッパを吹いている。よっちゃんの顔が一段と輝きだした。いつの間にかマー君も『練り』中にいる。いったん始まった『練り』はもう止まらない。大きな杯が出され参加者はリズムに乗り次々と飲むことになる。飲み乾しては注ぎ足され、飲み乾しては注ぎ足されていく。終始笑顔の絶えない新郎のおっくんも大杯を空け、『練り』に担ぎあげられる。
 司会者からもう一つのサプライズが明かされる。「ここでお二人がお付き合いを始めたきっかけを作った方がおられます。・・・・タックンさんお祝いの言葉をお願いします。・・・・・・」
 「なんだ、そうだったのか・・・」 隣のコーキーが呟く。
 『祝う会』もグランドティアラで開かれた。モーリー、カトさん、アツポンⅡ、ノディ、ブンちゃん、アッキー、ナカリョウ、ミッチ、ちーちゃん、酒中、お祝いをしようと集まった。色白のりえちゃんは黒のドレスがよく似合っている。酒木さん、ひいちゃん、りかぴょん、シホチャンは熟女、妖艶な雰囲気を醸し出している。お楽しみトランプビンゴゲームが始まる。数あるテーブルの中で当るのは殆ど酒木さんのテーブル。次々と大きな箱小さな箱がテーブルの上に並ぶ。祝う会ビンゴ常勝、酒木さんにはなかなか当りが回ってこない。イライラしている。
 「え~っ!どーなってるの!」
 「ははは、酒木さんのよく当てるオモチャ、景品にないみたいですよ!」
 結婚のお祝いは3次会へと続く・・・・・・マー君、ちーちゃん、カトさん達は扇屋へ繰り出し、モーリー、アツポン達は・・・・。リカぴょん達はココスへ・・・・。 ココスに同席した。 話題はバドになる。
 「この前の団体戦、よく頑張って・・・・」 酒木さんがシホちゃんを労えば・・・
 「ははは、そうなのよね、次の日勤務で足ガタガタでした。手も震えちゃって・・・・お注射にはビビりました。」
まだまだ飲み足りないシホちゃん、ビールジョッキを次々空けている。・・・
やばい!この人 夜に慣れてる!真夜中だって平気!起きてるじゃん!美女達のお酌ですっかり酔い潰れた酒中、明日は仕事の文ちゃんと一緒にガミーの車に載せてもらい、大酒のみの女子達を残して帰路についた。久し振りのお祝いで楽しく一日を過ごした!

 「キョンシーじゃー  ぃや~  ぜんぜん可愛くないっ!」
マートン邸で一品持寄りお誕生会が開かれた。部員達20余名が集まった。スマッシュクラブに入るとニックネームがつけられる。入部数カ月のキョーコちゃんの愛称が決まっていなかった。
 「可愛いし 雰囲気あってると思うけど・・・・」
 「キョンシーって なにっ?」
周りを見渡すと平成生まれの部員たちに囲まれている。
 隣に昨日入部したばかりの娘も宴会に参加していた。
 「そうねぇ~松さんは マリリンじゃあどうかしら?」
 「ところでマリリンのお仕事は・・・?」
 「精神保険福祉士です。精神を病んだ人の相談を受けたり援助してます。」
クラブには様々な職種の部員たちが集まる。生き方・・人生観、世界観も様々。社会構造の縮図になっている。
 ちーちゃんが隣にやってきた。
 「なんとか頑張ってバド続けてください!長い間バド続されてるの みんなの励みですから!」
 「いやいや ちーちゃんの方がもっと立派です!僕達のようなバド初心者と長い間付き合ってもらってます。普通バド上級者になるとスマッシュ、ヘッタッピクラブの実力と合わず力のあるクラブに去って行ってしまいます。」
 隣の酒木さんも・・・・「そうだよねぇ!今までも酒中君やおっくん、モーリー。超上級者なのに初心者中心のクラブに留まって面倒を持てもらってる。みんないい人ばかり。このクラブってそういう人たちが寄り集って来るのね!」
 部員たちの持ち寄った一品料理が美味しく、お酒、お茶とともに無くなっていく。部長マー君の一言で部員たちが立ち上がり今年の抱負やバド決意が披露されていく。
 「今年バド復帰です!がんばります。バレーボールにハマったさっとんが帰ってきた。
 「今年こそは2部目指します!」 りえちゃんは努力家、バドも日々力強くなっている。
 マー君、マッスー、コーキーが2部昇格の報告をする。
 昨年夏、タッキーから始まった結婚ブーム! 今年も再来の予感がする!
 「5月に結婚します。祝う会に来てください」
タックンが嬉しそうに発表すれば、その隣では中ちゃんがカッチと見つめあっている。 今日も笑顔の止まらないミオーは・・・
「タークンと4月から一緒に暮らします!」
 この発表に唖然・・・・開いた口が・・・!もうやってられない!
 「ヨッチーの番になった。  「エート エート・・・・」  「隣にいるイコさんとお付き合いをすることになりました。」
イコちゃんは与羽娘の結婚式、松葉杖のボクちゃんの隣にいてずっと付き添ってくれた優しい子。この恋愛宣言にみんなびっくり!いつの間に・・・口が塞がらない!聡明なヨッチー!男子部員達がイコちゃんに近づかないようバリアを張った。 f(^^;
帰り際 キョンシーが・・・・ 「このクラブの人達、仲良くなる訳だわ。宴会やら行事やら。みんな一緒に・・・ 楽しいからねぇ~・・・」 

9月22日  (日)   晴    ナベちゃん・マッスー結婚式&祝う会  ミューゼ四ツ池&8feet 
5月25日 (土) いっちちゃんミッチ結婚式 & 祝う会 アーセンティア & フランジェ
4月20日 (土) さよならカトさん 貴布弥ぼんぼんげ
11月24日 (土) おっくん・よっちゃん結婚式 浜松グランドティアラ
10月27日(土)                新人歓迎会               利紅園
10月14日(日)   晴          浜北オープン50回大会      グリーンアリナ

9月15日(土)                ビアガーデン                 プラザホテル

 「今日 重大発表があります。・・・・・」
部長マー君から全員メールが入った。明日は浜北交流団体戦開催の日。何があるんだろう?興味津津、練習に参加した。練習後のミーティング、おっくん、ヨッチがニコニコしている。
 「私達11月に結婚することになりました。」
 おっくんはバド上級者。入部間もなく2年が経とうとしている。遠路はるばるスマッシュの練習にやって来る。スマッシュクラブではおっくんと対等にバドのお相手のできる部員は数少ない。系統的なバド練習もしたいだろうに我々を捨てずに相手をしてくれている。バド練習以外のクラブのお仕事や行事にも進んで参加、彼の人柄、ひととなりがよくわかる。
 ボクとヨッチとの出会いは何年も前の大会会場。
だったらしい。噂に聞くとボクが見ず知らずのヨッチになんか話しかけたみたいだ。その時から私はヨッチにとって「変な人!」になりさがった。ヨッチとのチグハグが続く。何年か前、ヨッチがクラブの練習に弟を連れ参加してきた。
 「あの主婦の人どっかであったような気がするんだけど。」
浜北体育館はかなり暗い。少し離れていると相手の容姿もよくわからない。子供を連れて練習に参加、と思ってしまっていた。
 「なに言ってんの。あの子まだ二十歳すぎたばっかりよ!」
与羽娘に言われても気付かない。近くに行ってよ~く見ると・・・「若いじゃん!」f(^^; ヨッチ、スマッシュには去年の夏に入部。お互い魅かれあい、おっくんとのお付き合いが始まった。
いつみても仲がいい。おっくんが部会に出られない時には「おっくんの代わりに来ました~。」 二人の姿は愛らしく、微笑ましい。
 ヨッチからメールが入った。
 「最近お会いできませんね!寂しいです。」
よかった。「変な人」から進歩した。
 浜北交流団体戦が開かれた。応援に行った。会場準備に大忙しのヒロりんに会った。
 「今日は大雨ですねぇ。雷も鳴ってますねぇ。洪水警報も出てますよ。だからに応援に来たの?」
なにしろお正月三が日過ぎからほぼお休みなし。お仕事に没頭している。バドできない症候群も頂点に達している。怪我しちゃったし・・・f(^^;
 応援はサブコートから。サブコートは初心者中心だ。初心者といっても半年もすればボクちゃんの上をいってしまう者もいる。・・・・後世畏るべし!社会人になってバドを始める、始めた人達は人生経験も豊か!面白い人生観を持った者も多い。バド技量の他、人から学ぶことも多いのだ。われわれは単にバドをしているだけではない・・f(^^; 人とのつながりの中でバドをしているのだ。
 「私一勝しました。」 ラケットを持ち半年にも満たないキョンシーが嬉々としている。その後ろでタッキーが疲れ切っている。タッキー、初めて試合に出る超初心者女子専科だ。可哀そうf(^^; タッキーは3部。3部ミックスの戦術戦略に長けている。頭脳的なプレーが随所にみられる。相手の陣形を崩す所までは完璧。最後の仕上げで足が届かない。このところの練習不足がたたっているのだ。スマッシュの新入部員の初心者たちは日毎にバドに熱が入ってきている。新入部員達のバド意欲に負けてはいられない。リハビリ、バド復帰、復活の気が湧いてきた。
 

 2012 3月24日 (土)             おっくんヨッチ結婚宣言!&浜北交流団体戦               グリンアリナ

2012

 2012 3月17日 (土) わがまま一杯!2・3月生まれの部員のためのお誕生会 マートン邸

 衝撃!タッキーから始まった結婚のお祝い・・・ヒロりん・コーキー、 与羽娘・ヒロ君に継がれ、締めくりはキナちゃん。キナちゃんの祝う会が浜松パールマブチで開かれた。部員達20余名がここぞと祝福に集まった。
 「あれっ、りかちゃんは?」
 「携帯忘れたって、この後の電車に乗るみたいですよ」
浜松中心街での集いはいつも電車。電車が定番は酒木さん、タッキー、ガミー、ひいちゃん、リカぴょん、りえちゃん。遠州鉄道沿線に住む酒飲みの特典だ。今日は土曜日、浜松勤めの部長マー君も会社お休みで電車に乗っていた。電車に乗ると車内で待ち合わせていたみなさんと合流する。話題は豊富、バドは若者のクラブ。クラブ内のお付き合いの話にもなる。このところ情報に疎い。ガミーが隣に座っている。
 「AさんとBさんあやしいら」
 「っていうか、あのふたり真黒です。真黒なのがまだまだ・・・」
 「えっ!だれ?」
 「ははは、そのうちわかりますよ」
 会場付近では見慣れた人たちが見慣れたバドウエア姿とは一線を画したカジュアルな姿で立ち話をしていた。街の明かりになじんでいる。
 キナちゃんは6月に入部したばかり。この数カ月ですっかりスマッシュクラブに溶け込んだ。キナちゃんは沖縄出身。この静岡は温暖で住みやすいと言われているが静岡よりはるかに住みやすい暖かい地からやってきた。キナちゃんのお母さんは沖縄民謡の名人。沖縄は美しい自然、海と人の気持ちがいい文化 似つかない爆音、基地の国だ。キナちゃんに入部早々優しくしてもらった。
 「ボクと混合出ていただきませんか?」
 「わたしぃ~お仕事の関係でぇ~ダメだと思いマッスゥ~~」
あっちもダメ、こっちもダメ・・・ペアが見つからず意気消沈したボクちゃんを見てキナちゃんは救いの手を・・・。キナちゃんの温かい思いやりの心のおかげで締め切り直前に大会に参加することができた。おかげで賞状もいただいた。
 宴会では部員たちの行状が気になる。デジカメをあちこちに手渡し、写真を撮ってもらう。部員達の楽しい笑顔や虚を突いたアングルがなによりf(^^;・・・・
 「あれっ!いっちちゃん!」
帰りも電車。偶然与羽娘の大のお友達、いっちちゃんに会った。ガミーは酒中酔也ちゃんと浜松団体戦の相談の待ち合わせ、。リカぴょん、いっちちゃんとともに隠れ3次会に同行することになった。
 「指輪してる。」
いっちちゃんは目ざとい。デジカメの小さな画面からお揃いの指輪を見つけ出した。
 「やっぱりこのペア。・・・このペアも黒ぽいじゃん!」
デジカメは見ていた。
 「来年も楽しくなりそう!」 

12月10日(土)     キナちゃん結婚祝う会        バールマブチ

12月3日(土) 後曇          浜北オープン混合大会        グリンアリナ

11月26日(土) 27日(日)      合宿       アクティ森・泉陽中学体育館

 いっちちゃん・ミッチの結婚式がアーセンティアで行われた。いっちちゃんとは付き合いが長い。おウチもボクんちの畑に近いところにある。ボクんちの畑はお散歩コースの中に入ってるみたいだ。お百姓の仕事は大変!重労働に耐えている傍らに来て・・・「頑張ってネ」と笑顔でやさしく声を・・かけられた。いっちちゃんは与羽娘とも長い付き合いで一去年の与羽娘の結婚式に同席した。以来再びバド練習に来るようになった。ミッチは口数は少ないけどやさしく、何事にも一生懸命さが浮き出ている情熱家。大会では勝ちたいだろうに負け覚悟で「今度の大会出ませんか?」とよく誘われた。
 いっちちゃんがお父さんに連れられ入場してきた。今までに見たこともない緊張した面持ち、皆の注目を一身に浴びている。席を通り過ぎる時目線があった。僕の顔を見たとたんに噴き出しそうになった。いつものようにそのまま笑いださないでよかった。
 「この綺麗な娘、酒木さんって言うだにぃ!変わった名字だら!」
披露宴が盛り上がってきて、接待のお嬢さんが幾度となくやってきた。
 「ついでに旧姓は酒蔵、名前はあけ子。面白いら!」  「お祝いのお酒どんどん持って来て!」 
なんでもお願いはしてみるものだ。ワインやらビールやらテーブルの上にずらりと並んだ。お友達のバルーンアートが始まる頃には丁度いい酔い加減になった。
 いっちちゃんが与羽娘と畑に遊びに来た時写真に収まった。畑はお仕事の場。写真を撮ることも撮られることも滅多にない。『お写真』ふたりの「生い立ち」に披露された。結婚式場、場違い、トラクターに乗ったピ-ス写真に会場内が少しだけ湧いた。ちょっと恥ずかしかった。暫くしてふたりからキューピット?のお礼の花束をプレゼントされ頬が緩んだ。ふたりの生活はこれから。助け合い、一生懸命生きてほしい、余裕を持って過ごしてほしい。花束をいただいた時『願い』をかけた。
 「どうする~ 一度帰る~ 」 二次会は浜松街中「フランジェ」で、時間も少しある。酒木さんもりかちゃんも綺麗に着飾っていた。
 「そうねぇ~、私達もお色直ししよ~か?」
一度電車で帰宅し出直すことになった。「フランジェ」に少し遅れて着いた。スマッシュの席はあとわずか。酒木さん富巫女さんひいちゃんはいち早くスマッシュ席を確保。ボクチンの席がない。いっちちゃんは東京出身。見回すといっちちゃんのお友達東京女子三人組の席の隣がふたつみっつ空いている。躊躇していると佐久間のヒロパが三人組の席まで案内して・・・・見ず知らずだし、話題も・・・・戸惑っていると今度は酒中が・・・「ここがいいですよ!」 可愛い娘の席の一つ空いた席に 「ダメダメ!ここです。」 ナカリョウに隣の席に座るよう促されとうとう女子三人組にくっついてしまった。
 「あなたがキューピットなんですか?」 。
 「ははは、ボクもだなんて知らなかったんですよ!」
 「バド練習の時隣にいるいっちちゃんがギラギラした目でミッチを見ていたもんで・・・・」
東京三人娘はお酒の勧め上手。都会の娘は場慣れている。酔いが回っていた。
 「ハハハごめん、キラキラした目で・・・・」
三人娘とお話をしようとするとヒロパ、酒中、ナカリョウが次々やってきて話題をさらう。知らず知らずスマッシュイケメン「危ない三人組」のキューピットになってしまっていた。

 「りりりり~ん」
3月中旬畑に電話が鳴り響いた。
 「カトですけど・・・」
頭の中は仕事のことでいっぱい。仕事でカトさんって知り合いはいない。
 「カトさんですか?・・・・」    「カトさんって エーーー、どなたでしたっけ?」
 「バドミントンのカトですよ!」
長い間バドとはほぼ縁が切れていた。
 「4月から転勤になりました。ご報告して・・・・。今度の交流団体戦の実行委員長が最後のご奉公となってしまいました。」
カトさんは転勤族。ラケット一本で地方のあちこちのクラブで活躍、ここスマッシュに入部してきた。バドは超上手い!はっきりした実力の差でバド練習をしたことがなかった。あまりお話もできなかった。みんなの人気者、カトさんの転勤はクラブにとっても大変!一大事!来月からいなくなってしまう!浜北交流団体戦の応援に出向いた。
 交流団体戦は総合体育館。カトさんを探しまわった。ガミーがニコニコしてやってきた。
「来年度から浜松協会は4部制になりますよ!年齢で4部登録できますよ!よかったですね!どうですか?」
怪我してから練習に参加することもなくなったボクチンを見越して奮起を促した。ボクチン、歳も歳だし、バドへの情熱はかなり冷めてきたし・・・が、この誘惑でまたバドを楽しむ闘志が湧いてきた。ちょっとだけf(^^;
 「どうですかって!ボク、こうみえても今は2部、ずっと前の浜松大会でゲームカウントワンオール、あと3Pで1部になれた実力の持ち主なんですけど!・・・
カズパのおかげで f(ーー;」 たしかにバド力はなくなっちゃって・・・・。来年度は3部で・・・これからも3部で・・・自分の力にあった部、4部じゃなく、3部でバドを楽しみたい・・・。  5度目?6度目?の2部を目指して・・・f(^^;
 行く先々「ケガはどうですか?」 「大丈夫ですか?」 声がかけられた。暫くの間バドの大会から遠ざかっていると参加者の顔触れが随分変わっている。新人たちの動向が気にかかった。お仕事最中、帰宅を急ぎカトさんとは出会えなかった。

 「酒、足らんじゃん!」 夜勤明けのシホちゃんは目の前。 「わたし酒持ってくるで・・・・」 
カトさんはやさしく人柄がいい!『さよならカトさんパーティー』には別れを惜しみ多くの部員たちが駆けつけた。シホちゃん、目の前のお酒をすべて飲み干し上機嫌。やっぱりここでも接待と飲むのが忙しく、遠くの席のカトさんとはお話が出来なかった。

 お話しも練習も滅多に出来なかったカトさんに感激したひとこまを覚えている・・・・・・・
 ・・・・・・・・しばらく前にイチゴ作り、トウモロコシ作りの二人の農村青年が入部してきた。
 「あのふたり、大事に育てて欲しいですね。僕ら転勤族はいずれここを去りますから。・・・」
スマッシュも転勤族に多くの可愛い女子が連れ去られた苦~~~いf(^^;経験がある。カトさんは自分がバドを楽しむばかりでなく地域クラブの存続も心配してくれていた。全国あちこちのクラブのことも聞きたかった。

 「へぇ~ 埼玉から来たんですか?遠いところから・・・・わざわざマリリンの応援に・・・!」
シンちゃんはきょとんとした顔をする。マリリンは大慌て!額から汗がにじみ、頬が紅くなっている。
 「違います!埼玉のカレシとは・・・・・・! しんちゃんは新しいカレシです!」 この早とちり失態にボクの額からも冷たい汗が噴き出た。
先日の浜北オープン大会の時しんちゃんとお友達になった。しんちゃんは朝早くから会場に来ていた。本部席の裏でユーマのお勉強のお手伝いもしていた。バドへの興味も増し、このクラブに入部した。
 久し振りに新人歓迎会を『利紅園』で行った。幹事はアツポンⅡ。
 「ははは、11名の申し込みでしたが緊急に5名ほど増えてしまいました。席がありません! まあ何とかなるでしょう。」
アツポンⅡは楽天的で部員たちの人柄を
 意外に f(^^; よく見ている・・・・・・
 「これから一緒に楽しくバドをしましょう!」
アツポンⅡが挨拶を終わるや否や皆は新人達に質問攻め。
 「へぇ~福井から来たんですか。」
フーミンとアーミンは仲良し夫婦。お仕事の関係で遠くからやってきた。
 「どんな風に知り合ったんですか?」
 「社会人のバドクラブで・・・・。仕事の関係でまたこの地を離れることになると思いますがよろしくお願いします。」
自己紹介が終わると台湾料理が運ばれてきた。スマッシュセレブ、あの3人娘が参加している。やりたい放題!
お皿には春巻きが10個、この席には11名が座っていた
みたいだ
 いきなり   「ジャンケンだね!」    「サイショハグー ジャンケンポ~ン アイコデショ~~・・・」  声がでかい。店内に響き渡る。
恥ずかしいかぎりだ。周りのお客さんがこちらの席を覗き込んでいる。
 「ア~ミィ~ン・・・」     セレブのひとりがアーミンに話しかける。
 「今度の団体戦、大変なの!・・・メンバーが揃わないの」    スマッシュ女子は大ピンチ。結婚ブームで子育て・妊婦セレブが一気に増えてしまった。
 「えーっ!私が出るんですか!多分お役に立てません!」
 遠くからも応援メッセージが・・・。普段の練習や大会には滅多に顔を見せない酒中だ。スマッシュセレブ一番人気!いまや男子団体戦Cチームの守り神だ。スマッシュ宴会には全出席!メッセージにセレブ達も勢いづく。
 「大丈夫ですよ!『出られるだけで幸せBチーム』 だから・・・ 一日楽しくバドが出来ればいい人たちばかり・・・ メンバーも勝ち負けにこだわらない人たちだから。」
 セレブ笑顔で迫られたアーミンは断崖絶壁、あとがない・・・・  「わたし出ます!・・・」 
・・・結構スキかも! 説得に応じた。
セレブ達は宴会の場一丸となりクラブのピンチを凌ぐ。セレブ達はこうして一人一人仲間に引き入れる。天下無敵!「恥ずかしさ」を忘れたスマッシュセレブは増殖し、手がつけられなくなる。 とほほ(;_;)

 「ピロピロ~~ピロピロ~~・・・・・・」
ウオピーからメールが入った。
 「50回目の大会実行委員長になってしまいました。第1回の大会はいつ頃だったでしょうか?・・・」
浜北オープン大会は記念すべき50回を迎えることになった。
 「・・・初めての大会は1988年でしたよ~  年2回だから25年目ですよ~・・・」
 「えーっ まだ生まれてませんでしたf(^^;
思い起こせばクラブ創立は1985年、殆ど初心者ばかりで作った。バド本を買い、見よう見まねでバドを始めた。記憶が確かならば当時の浜松の大会は2部制で初心者の出る幕はなかった。相手にされず、とてもバドの試合を楽しむなんてことは出来なかった。で、上級者もバドを楽しめ、初心者もそれなりに
f(^^;バドを楽しめるよう自分たちで大会を開催するようにした。地域オープンにして大会の水準も高めるようにもした。レベルの違うバドラーが集いそれぞれバドを一日楽しめるよう心がけた。とりわけラケットを持ち始めた超初心者にも試合が楽しめるよう地域に先駆けて4部もつくった。不慣れだったが運営も自分たちで考え進めた。と、ウオピーに自慢話メールを送った。
 実行委員会が開かれた。
 「記念すべきこの大会にふさわしい運営を考えましょう!」
各部より選ばれた実行委員達は考えた。三人寄れば文殊の知恵。リーグ戦後全てのチームがトーナメント戦に進むようにした。普段の大会より試合数も増やし、楽しみも増やした。
 今日は試合に出なかった。で、本部席に座った。部員達は試合に運営に忙しいのだ。トーナメント戦になると本部席は忙しくなる。男子部員達も本部席に駆けつける。
 「ちょっと!ここ・・・・」
本部席は女子部員たちの天下!毎回毎回テキパキと大会お仕事を進めている。チェックも厳しい。マリリン、入部間もなく初めての大会運営も一目で把握。指示を出している。女戦士がまた増えた。部長ガミーの「明日は大会日・・・!」のメールに応え試合に出られないマッスー、アッキー、キョンキョン、モーリー、ちいちゃん、大きなお腹を抱えカッチ、ひろりん、生後4ヶ月のタイ君を抱き与羽娘、も駆けつける。
 「この字上手いです。だれが書くんですか?」賞状を貰った選手が話しかけてきた。 「ははは、クラブには習字の先生がいます。」
新婚じゃないけど身重のトントンもこのために駆け付けた。
 どこかで見たことのある可愛い女子選手がいた。審判しながら
f(^^;ニコニコしてこっちを見ている。・・・・「だれだっけ?」・・・
 「あ~っ!サナエちゃんじゃん!」 ラケットも握ったこともない初心者としてクラブに入っていた。結婚して他のクラブから参加していた。
 「4部で出てます。もうすぐサブコートで試合です。」
応援に行った。スマッシュの頃はラケット握りたてのほやほや。シャトルがラケットに当たらない。どうなる事やらと思ったがこの一、ニ年で見違えるほど上手になっていた。空振りはしてないし、ローテーションもしている。背中にはHirokoのチームウエア。4部5チームリーグ2位で終えていた。
 「4部1位は来年は3部ですが、2位は4部で参加できますよ!」  「来年は3部で出ますっ!」
 「あ~あ、よかった。」浜北大会開催の意義があった。長く長くバドを続けてほしい。

 「違う違う!こんなんじゃない!こんなんはスマッシュのビアじゃない!ぜんぜん違う!」
イマイチ スマッシュ雰囲気 がしないのだ。 ボクの前にはクラブの重鎮酒木さん、隣には富巫女さん・・・・花が・・ニ輪。大きくしかも少ないじゃん!
 スマッシュ恒例のビアガーデンが開かれた。今年はいつまでも熱い日が続く。9月中旬まで最高気温30度を下った日はない。北極海の海氷面積が観測が始まった1979年以来最少になった。減り方も凄い、今までの最少面積より一気に18%も減った。
みたいだ。このところ雨も降らない。大地は乾ききっている。熱さと渇きに皆も喉を潤したくなる。
 今回の幹事はアツポンⅡ。
 「今日はごくろう様です。・・・楽しくやりましょう!」 かわいいおヒゲ、ニコニコ笑顔で挨拶・・・
 「みてみて!わたしって真面目でしょ!ちゃんと・・・・・」
りかぴょんが少し遅れてやってきた。中っくらいよりやや大きめの花がまた一輪。が、イマイチ男性陣の乗りが悪い。
カトさん、ノディ、タッキー、タックン、ミッチ。話題も冴えない!
 「炭酸ガスですかねぇ?・・・・・・・・」

 ミッチが賑やかなメール着信音に嬉しそうな顔をしている。
・・・・「今からちょっと行ってきます。」
近くの駅までお迎えに行くみたいだ。暫くするとイッチがお仕事帰りにやってきた。
「あ~っ イッチ!」  可憐な一輪が加わり一気に華やいだ。
歳を取ってくるとかまって・・・・・なんやかやとからかってくれる女子はぐっと少なくなる。イッチはほんと数少ない女子の一人だ。
 バド練習、体育館に着くと部員達の座る場所はほぼ同じところ。縄張りがあるみたいだ。ミッチ入部以来ボクの右隣に。何年か振りにバドに復帰したイッチはクラブでのお友達が少ない。で、お話し相手を探し左隣に座った。バド練習、座る場所が人生を変えることもある。
かも?
バド練習、隣のイッチと楽しく話していても目線はミッチに・・・・もの欲しげなまなこになっている。ミッチはミッチで私とお話ししても目はうつろ、ボクを通り越しイッチに釘付け。これってボクちゃんと話していても素通りしてるじゃん。で、キューピッドに・・・・
 ビア、イッチとミッチ仲良く隣同志に座ると話題はふたりのことに・・・大輪達は聞き上手。あれこれと聞きだす。
「岩手はどうだったの?」  「緑が多くていい所でした。」
「ご家族の皆さんと会ったの?」  「いい方たちでした。楽しかったです!」
「・・・・で、勝負はしてしまったの?」  
「えっ!勝負って・・・」
「違う違う!あの勝負じゃない!」
「決めたの? 結・・・・・・・」
油断禁物! うかつには恥ずかしくて答えられない。
ビアガーデンのお別れのメロディーが聞こえてくる。ガーデンは遠電のすぐ近く。電車組は北浜駅に向かう。楽しそうな声が聞こえ後ろを見るとミッチとイッチが手を繋いでいる。
「えっ!僕だって!繋ぎたい!」 ミッチと手をつなぎ電車駅まで向かった。

 第48回浜北オープン大会、混合大会が開かれた。土曜日にもかかわらずバドを愛する91チームが集まった。スマッシュからは11チームが参加した。
 「アッキー、今日はどうしたの?」
アッキーはレーサー。サーキット通いでバドから遠ざかっていた。今日は試合がないのに大会のお手伝い。シーズンも終わり、これからバドやスノボーに明け暮れる。

 「レーサー戦績はどうだったの?」
 「ははは、レベルは上がったと思ったけどみんなのほうがもっと上をいってました。」
もうひとり大会の運営だけ参加、お仕事忙しく練習にはめったに顔を見せないしおりちゃんが本部席に座り采配を振っていた。あとひとり、りかぴょんも試合がないのに頑張っていた。運営だけ参加というのも楽しさ半減f(^^;結構大変なことだ。
 大会では4部の試合が気にかかる。大会のたび ラケットを持ちまだ間もない人たちがバドを楽しんでいるかを見に行っている。初心者が試合や大会に参加してレベルアップをしてほしい。スポーツ愛好者の裾野は広いほうがいい。この地方で4部をいち早く作った浜北大会の目的の一つだ。新入部員の樋口さんがいた。大会の様子を見に来ていたのだ。
 「向こうの会場はレベル凄いです!ここサブだとなんだか安心します。このクラブの人たちは仲がいいですね。試合の進行を一生懸命やってました。」
 「そおだら、クラブの大きな仕事があるから協力しないとやっていけないもんね。新人だからと言って遠慮はしなくていいですよ。部費は上手くても下手でも1500円ですから。」
 4部の会場ではひいちゃんが新人部員とペアを組み試合に出ていた。初心者、イチゴ農家の廣瀬君だ。暫く練習に行っていない間に知らない人が何人か部に入っていた。廣瀬君の応援でやっぱり新人のスイートコーン農家フジタ君もいた。ふたりともバドには興味津津。
 「サーブをする手がこんなふうに震えてました。」
廣瀬君は次第に調子も上がり 苦しい試合を勝ち進み4部優勝!これから一層バドに身が入る。
と思う。浜北大会の甲斐があった。
 メイン会場に行くとバドが超上手いよっちが本部席の後ろで大粒の涙を浮かべている。予選リーグを抜け出ることが出来なかったみたいだ。
 「泣いてちゃダメじゃん!全部オックンが悪いだで!あとでお仕置きしとけばいいで・・・!」
バドは面白い・・・初心者から上級者までそれぞれ悩みが多い。
 大会終盤、会場ではスマッシュ部員達の腹いせf(^^;練習があちこちで行われていた。小学生に挑戦!なんてところもあった。リカぴょん愛息、小学5年生のユーマ君も大会に参加、大人達を蹴散らしf(^^; リーグを勝ち抜けた。見るごとに上手になっている。大会では活躍できなかったガミー・ミッチペアを相手に練習試合をしている。ガミッチペアはユーマ君達小学生ペアの繰り出すショットに唖然!苦笑いの連続。大人達は敗れ去った。納得のいかないミッチは部長マー君をペアに再度挑戦!・・・・恐れを知らない小学生は強い!のびのびとバドをし、来年度2部昇進を決めたミッチ・マー君ペアを翻弄していた。
みたいだ。
 上手くても下手でもバドは楽しい!

 「だれか~ ここに置いといたオニギリしらない~?」
 「ああそれっ 昨夜食べたちゃいました!」
 「な~んてこと! あのオニギリ朝食だったのに~~」
 スマッシュ合宿が行われた。2年振りの合宿だ。合宿には部員達23人が集まった。前回の合宿は「すずめのお宿」さんとの合同合宿だった。その時も多くの部員がつめかけた。今回の合宿はアクティ森、この「森」は機関紙部御用達、クラブの催しには欠かせなくなっている。アクティ森に付属する宿泊施設は国産材を多く使ったログハウス風で1棟貸し切りになっている。勿論炊事もできる。今回の合宿テーマは「真面目にバド!」。浜北オープン混合大会に向け準備万端、飲み会中心ではなかった。
と思う。気合が入っていた。
 パーさんは浜北西高校の留学生。ラオスからやってきた。日曜参加のパーさんのアッシーで一緒に合宿場に行った。部員たちが騒いでいた。昨晩用意してあったおにぎりを事情も分からず食べてしまったみたいだ。
 「わたし!なんとかするわ!」
よっちは会社員にして調理師。しかもバドが超上手い。まわりへの配慮も欠かさない多彩な女子だ。まだ年賀状だって注文を受け付けている。
「アクティ森」は近くの農家からの野菜の直売も行われている。新鮮なお野菜やら食材がズラリと並んでいる。朝から近所のみなさんが買い出しにやってきてあっという間に売れ切れる。よっち、合宿のため買い込んであった食材からテキパキと選び出し、買い出しにまで行った。
 「焼そばにします。このお野菜も入れて・・・・これをお肉の代わりにしましょう!」
あっという間に調理をしてみせた。
 練習時、部員達と会う時にはいつもジャージ姿、練習時だけのお付き合いでは人となりが分からない。行事、クラブのお仕事、交流宴会やら合宿で部員たち同士がより一層深く知り合う機会になるのだ。カッチ、マッスー、さっとん、地元のガミーに誘われれ近くにあるかわせみ湖まで夜のドライブ。ちょっと寒かったけど月明かりに照らされた木々や遠くから聞こえてくる水のせせらぎに耳を傾けた。このクラブにはロマンチストが多いのだ。 
 ロマンチストがいればタクマシイ女子達もいる。就寝間近・・・
 「キャ~~~~! ゴキブリィ~~~~~!」
りえちゃんのけたたましい叫び声とドタバタドタバタ床をける音が女子棟から聞こえてきた。
 「ドコドコ!」
ゴキブリと聞きつけたヒロリンが蠅たたきを片手に駆け上がってきた。しほちゃんも一緒になってゴキブリを追いかけまわしている。ゴキブリは主婦達の敵だ!
 「蠅たたきを持ったら百発百中よ!」
ゴキブリはスイートスポットにおさめられ足をひくひくさせている。昼のストレッチ練習の筋肉痛をすっかり忘れてしまっていた。
みたいだ。
あ~あよかった!合宿練習の甲斐があった。