「ナニ着ていきますか?」
ちいちゃんゆうちゃんの結婚を祝う会がフォルテで開かれた。練習後のミーティングでガミーは着ていく服が気がかり。
 「ハハハ、ボクいつもバドウエアだけど・・・、今回はバドウエアってわけいかんから・・・・」
 「フォーマルですか?、カジュアル?やっぱり・・・チョイ悪ですか?
 チョイ悪で参加した。
 祝う会には多くの部員が参加した。遠路はるばる静岡からマッキー・豊橋からマドカもお祝いに来た。会場内には若者で一杯。ちいちゃん出身地九州熊本から近畿・名古屋圏から若者が集まり、二人の結婚を祝った。会場受付にはタックン・トントン、司会はマークン。ここでも部員は頑張っていた。
 「酒木さん、ちっともお酒すすんでませんねぇ」
 「明日は試合があるの・・・」
 酒豪酒木さんは、明日 酒中酔也ちゃんとペアを組み大会出場することになっていた。酔チャンは酒木さんとテーブルひとつ離れたところにいた。目が届かない。酔チャンの周りには綺麗所、口も手も達者なスマッシュセレブばかり。お酒を勧めるのもうまい。他に男性はいない、ハーレム状態なのだ。すっかり有頂天になっている。酔チャンをコントロールするモンは誰一人いない。終始ご機嫌。明日の試合のことなどすっかり忘れていたみたいだ。羽目を外した酔チャン、あちこちテーブルにでっかいビールジョッキを片手に接待をはじめていた。
 「酔ちゃん大丈夫かしら?」
大丈夫じゃあないみたいだ。
 隣の席ではモーさん、神さん、モーリー、タッキー、アニー。華やかさがまるでない。ひたすら飲み食いにはしっている。気を利かせた与羽娘が出向いたが、時はすでに遅かった。沈みっぱなし。おっさん話題に花も咲いていない。
ちいちゃんゆうちゃんがテーブルにやってきた。ゆうちゃん綺麗だった。ちいちゃんは普段見慣れているジャージとうって変わり、ネクタイ、胸にはゆうちゃんとお揃いの花飾り。決まっていた。
 ちいちゃんは九州熊本出身。就職でこの地にやってきた。初めてクラブの練習に来た時、ちいちゃんのバドのパワーとうまさにびっくりした。まるで異質。初心者の多いこのクラブでちいちゃんの練習相手はだれひとりいなかった。レベルがあまりにも違いすぎたのだ。みんなもこのクラブでは無理だね。もっとバドがうまいクラブに行ったほうが・・・なんてこと噂していた。その時ちいちゃんはまだ21歳。これからバドがもっとうまくなる盛りだった。それから辛抱強く我々に付き合っていただいた。彼のおかげで見よう見まねの部員達のレベルもあがった。
 就職、結婚でこの地に多くのバドラーがやってくる。この地に来た有能なバドラーは不幸だ。全国でも静岡県のバド水準は低い。県内でもこの西部地方のバド水準は低い。西部でもこの浜北のバド水準は低い(関係者のみなさんごめんなさい)。たまたまやってきたこの地がバド後進地。バド先進地からやってきた上級者は自分の技量が発揮できない。世の中の多くの社会人クラブは経験者中心。社会人になりバドに魅せられた初心者は肩を寄せ合い、お互い切磋琢磨し、しかも楽しくバドを続け、上級者に近づくよう努力することだ。我々を相手にしてくれる上級者にとって我々ががうまくなることが喜びになるかも。

 地域を守るバドラーにとって3月は悲しい別れの季節、4月は新たな出会いの季節である。スマッシュでも相次いで上級者達がクラブを去り、新たな活躍場所を求めていった。ポッターは勉強が大好き。人よりも長く勉学に励み生まれ故郷に職を求めた。のんさんは転勤、1年に満たない在籍だったが、スマッシュに旋風・新風を巻き起こた。彼らの存在は大きかった。
  浜松協会団体戦春の陣が開かれた。今回の団体戦はスマッシュのお当番、責任は重大。粗相はできない。何ヶ月も前から事前に部員達に知らされる。団体戦直前の金曜練習では協会理事モーリーから集合場所やら時間、お仕事内容の念入りな伝達、前日の土曜には部長マークンから「弁当は協会支給!」の全員へのウエブメール。部員達も気合が入る。
 団体戦秋の陣では男女Aチームともに1部に。スマッシュ創部以来の快挙だった。だが、男子Aは相次いで上級者が去り、テラテラは愛妻りっちゃんの出産で一時帰郷。女子Aもユリチンが出産を控え、男子以上に大変な状況に追い込まれていた。
 「ねえねえ、あの人だれ〜!?」
新緑、5月初めから練習にやってくる女子がいた。雰囲気が違う!バドスタイルも華やか!クラブの練習後のミーティングでは話題が沸騰。
 「イケシマさんですよ!」
スマッシュセレブと違う。スリムで若くて美人で可愛く、しかもバドが上手!スマッシュセレブがホントのセレブと思っていた男子部員のセレブ概念を大きく変えた。スマッシュセレブは二物も三物も与えられているが、イケシマさんはもっと数多く与えられたみたいだ。
セレブたちの食指は動く。
 「イケシマさんにお願いしようかしら!」
女子部員はやっぱりしたたか。ヒッキーにもお願いし女子1部で優勝!浜松協会トップに躍り出た。新しい出会いを見事花咲かせた。男子Aも凄い!あいた大きな穴を克服!男子1部3位にランクされた。
 勿論男子B・女子BもAチーム補強で弱体化したが、部を維持し、頑張った。
 団体戦運営は大変な作業だ。運営のためだけに部員達がやってきた。前部長あいけん、ユリチン、机に座りっぱなし、コールで声がかれるほど頑張っていた。新入部員、河村君もやってきた。ほかの部員達も頑張る。大会開始の15分前にはコート張りを終える。手が空いているときには本部に駆けつける。対戦が終わったコートの審判用紙を待つのは時間の無駄と小走りに取りに行く。なるさん、辻さんニコニコ笑顔で頑張っていた。みんな一致団結、手際よく作業を続けていた。大会運営はお手の物。年3回大会主催の経験が生きる。
 「修正液・グリップ、この文具はぜひとも欲しいアイテム。」「ここの手作業は事務所に行ってコピーで・・・」 さまざまな意見を協会担当者に伝えていた。
 スマッシュでは行事の後のゴミジャンケンは欠かせない。大会終了後出たゴミのあと始末だ。今回はりかぴょん。無理をしない確実なプレーを身につけた りかぴょんは、怪我なく無事に大会参加を果たしたが、油断は禁物!残った20数名の部員の中でゴミ女王に選ばれた。りかぴょんの新たな伝説が始まる。

 赤石白樺荘には白樺が生い茂っていた。お仕事で川根・千頭の奥、井川に行ってきた。これが農繁期最後の仕事。多分!我々の細々とした業界の農繁期は長い。5ヶ月!その間バドもままならない。で、バドは開店休業。6月からはバド繁期になる。井川は山が深い。山道は苦手で、少し遠回りだったが、金谷を経由して行った。井川は自然の宝庫、南アルプス登山の表玄関口。新緑に包まれていた。総世帯数240戸、人口の7割が50才以上。10代、20代、30代、40代はそれぞれ1割に満たない小さな町だ。市町村合併で静岡市葵区になっている。勿論コンビニはない。15才以下は20人に満たない。高度成長政策、農山村から働き手を追い出し、都市勤労者に仕立て上げた政策の結果だ。大きな企業の儲けに繋がらない農山村は切り捨てられた。今でも!都市への人口の過度の集中は様々な弊害が出ている。農山村での働き手は枯れ果て、今ではその働き手をブラジル・アジア圏など後進国に求めている。
 大井川筋には巨大なダムが建設されている。畑薙第一ダム・最近の長島ダムをはじめ15箇所、発電所、堰堤も数多くある。農村や都会に向け、せっせと”クリーンな電気やクリーンな水”を送っている。森林組合や山の人たちが山を守り、管理しているおかげで私達も安心して飲める水や、電力で夜でもバドミントンもできる。普段着はバドウエア、勿論野良着もバドウエア。外出にもバドウエア。着る物だけは年がら年中バドミントン漬け。今回のお仕事にもバドウエアで出かけた。
 「バドミントンさてれいるんですか・・・」  綺麗な女性職員の方に話しかけられた。たまたまヨネックスオープンの小さなロゴマーク入りシャツを着ていたのだ。
 「ははは、ちょっとだけ・・・」腕が腕だけに自慢げには話せない。
 「ここ井川では小中学生も熱心にバドしてますよ。ここの職員の子供さんもしてます。小学生は全部で10人ちょっと、みんなバドミントンしてます。大井川地域の大会でも成績は徐々に上がって、いい成績を収める様になりました。」     そこに丁度若い男の職員の方が通りかかった。
 「この人がコーチしてます。」
井川は山の中。まさかここでバドミントンをしているとは夢にも思っていなかった。うれしい気持ちになった。ここでは野球やサッカーのできる広場はない。広場はあったとしてもチームをつくることはできない。バドなら最低2人いればなんとかスポーツを楽しむことができる。手軽なスポーツのひとつだ。三洋電機の中山・増茂選手も北海道の同郷、田舎育ち。ずっとペアを組んでいた。努力によってオリンピックにも出場した。井川の山道に鍛えられた子供達の中から、全国レベルのバド選手が生まれるかもしれない。是非とも頑張って欲しい。
 職員の方の勧めで赤石温泉白樺荘に行った。静岡県最北端の温泉施設。もともとは畑薙ダム建設の時温泉が湧き出し、中部電力がそのままこの温泉を利用し、飯場にしたみたいだ。以来入湯料は無し。美味しい地元の料理も食べられる。温泉も本物!訪れる人は少ない。風呂も個人貸切状態だった。寸又峡温泉は有名だがここは秘湯中の秘湯。温泉質もいいみたいだ。井川ダムから車で30分程奥にある。近年中にここを取り壊し、もう少し奥に新しい温泉施設を作るようになるみたいだ。バドが出来る施設があれば楽しい合宿が出来る。
 10月末から11月始めにかけては紅葉の季節。地元の方も綺麗だといっていた。ここまでくれば綺麗に違いない。温度差がある。白樺荘ではストーブがたかれていた

 マートン家族のご好意に甘え、新人歓迎会をマートン邸で行った。今回も一品持ち寄り、会費は1000円。これなら時間さえあれば誰でも参加できる。30人近くの部員が集まった。スマッシュセレブリティ!高額な会費は痛い。一品、さまざまな工夫を凝らした料理が食卓に並ぶ。男子部員達も腕を振るった。
 「これ、あの夏みかんで作りました。皮の白いところを丁寧にとりました。原価は砂糖の60円です。
3時間かかりました。」
タッキーは夏みかんマーマレードを披露。これが美味しく出来上がっている。フランスパンによく合う。
 「すごっ!皮、細かく切ってある」
セレブ主婦えっちゃんも感心している。
 「私の夏みかんゼリー、負けそう・・・・・」 ゼリーも美味しかった。
 トウモロコシも超人気!ガミーが森から持ってきた新鮮なトウモロコシ!。美味しい美味しいと食べ尽くす。辻さんの奥さんの手の込んだ巻き寿司も超美味。勿論セレブたちのお料理も美味しかった。
 時間が経っても新人達がなかなかやってこない。旧人たちはビールを前にやっぱり待ちきれない。スマッシュ部員は練習が大好き!週3回の練習にもせっせと通ってくる。
 「乾杯の練習をしましょう!」 宿主で部長、マー君が提案する。 「で、新人が来たその都度乾杯しましょう」
新人抜きの乾杯の練習が繰り返された。
 このところスマッシュでは入部が相次いでいる。ほとんどが初心者。みんな向上心も強く、目標も持ちバドに取り組んでいる。スマッシュでの居心地もいいみたいだ。
 「来月の浜松オープン混合大会にでるヒト〜〜〜〜〜」
新人、アツポンUがペアを募る。
 「は〜い!!」
手を上げるのは酔っ払った男子部員ばかり!可愛そうに、大会参加の意欲は十分だが、ペアがなかなか見つからない。部なしのオープンで行われるため、3・4の部の部員達には負担が大きい。スマッシュでの大会参加者がぐっと少なくなる。
 このところの金曜練習は新人達にとってもいい環境ではない。参加者は30人を超えている。3コートでの練習で、壁際で立ちんぼ。人数が少ないのも寂しいが、多すぎると十分な時間・場所が取れない。今のところ、効率のよい練習方法を新人達を含め、自分自身で考えるしかないのだ。金曜ビジターも多いが、彼らの中には上級者もいる。上級者はクラブにとって重要だ。イケシマさん、ビジターで奥さんがサントリー実業団出身のシカタさん。聞けば親切にバドを教えてくれる。バドに対する違った視点や高度なプレーに気づく。スマッシュの上級者もみんな親切!時間がない分彼らのプレーを見てお勉強、聞いてお勉強。我々には一生お勉強が必要だ。
 新人のしおりちゃん、ひろみちゃん、ホーリー、ひろりん、先生、アツポンU、コーキー、コンドー、イトー、セーちゃん、ジュンちゃん、歓迎します!これから一緒に長く、楽しくバドをしましょう!

 「今から僕の家で大会反省会をしま〜す。焼肉パーティーで〜す!ビールは一杯ありま〜す。」
大会の反省会をマートン邸で行った。昼は大会運営・試合参加とスマッシュ部員は大忙し。みんな元気溌剌。疲れを知らない。ゴミじゃんけんに敗れ失意のうちに帰宅しようとしたが 「ビール」の掛け声でついふらふらと手を上げてしまった。アッシーの準備もしなければ・・・・
 「あれ〜 与羽娘は〜」
グリンアリナロビーで与羽娘を待っていてもいつまでも来ない。
 「与羽娘ちゃんだったらもうとっくに酒木さんと一緒に出てますよ〜」
 「え〜っ!そんな〜」
ベテランセレブはしたたか。大会で大活躍するばかりでない。すべてにおいて抜かりはない。コートを動き回る足も速いが、こういうときの手も早い。すっかり遅れを取ってしまった。
 与羽娘は藤枝から大会に参加。浜北での大会を楽しみにし、遠路はるばるやってくる。近隣で開かれるオープン大会のためにいつものペアと共に頑張っている。与羽娘も可愛いが、ペアの方も長身、手足も長く美人で格好いい。長身美人ペアには周りのセレブたちも全貌の眼差し、大会コートをにぎわしていた。
 「与羽娘ちゃん、いま何処?」 「いま宮口、はいはい、迎えに行きますからまっててくださ〜い。」
気のいい与羽娘ちゃんが笑顔でやってきた。
 「ビ・ビ・ビールは〜〜」
お肉やお野菜が美味しそうに焼きあがっている。疲れた体を癒す飲み物が卓上にない。痺れを切らしたセレブ達が待ちきれない。
 「これ忘れてました。」 マー君が大きなナイロン袋を重たそうに持ってきた。
ナイロン袋を開けると中から焼肉のたれがどっさり。
 「こんなのじゃあなくって・・・・」
 「もっと潤いのあるやつで、ジュワーッと白い泡の出る飲み物が・・・」

 楽しいひと時を過ごした。集まった20名近くの部員達の中に、はるばる神奈川からやってきたノンちゃんもいた。スマッシュにいる上級者はみんな素晴らしい人たちばかりだ。我々の様なバド超初級者にも強い仲間意識で付き合っていただける。初級者を見捨てはしない。本当にありがたい。
 「スマッシュは社会人のクラブの模範です。」 なんてこと言っていただいたが、上級者の皆さん!あなた達が模範ですよ!!
 新入部者が相次いでいる。ほとんどが初級者。この場のように和気藹々とクラブ活動が活発になるといい。

6月14日(晴)          新人歓迎会                    マートン邸

 「今年は9月19日ですよ!一緒に行きませんか!東京体育館とドームですよ!」
6月にバド仲間、中田君からメールが入った。ナイター観戦とバド観戦、ダブルの楽しみだ。この地方ではタイガースファンは数少ない。阪神ファンというだけで話題をさらえる。かといって他の野球チームが嫌いなわけではない。会場で中田君、寺田君と一緒になった。
 ジャパンオープン大会が開かれた。ヨネックスのホームページから応募すればかなりの確率で入場券が当たる。今回も当たってしまった。今回の大会は今月末から中国オープン大会が開かれたり、オリンピック直後が禍してか、世界大会で常時上位にいる選手の参加は少なかった。
 大会観戦の目的のひとつにイングランドのエムスのプレーを見たいことにあったが、オリンピックを機に引退してしまった。観戦する機会はなくなり、夢はかなわなかった。エムスが前衛に入れば通過するどんな球種のシャトルも見逃さない、あのスピーディな動きを見ることはない。エムスちゃんはラジオ局への就職が希望みたいだ。
 オリンピックを機に引退する選手がいれば、これから上位を目指す若者がいる。若干19歳、田児選手もその一人だ。他の国の若い選手も参加し、世代交代が徐々に行われている。
 今年は日本選手への応援スタイルが大きく変わった。なんだか騒々しい。主催者にプロの応援団ということで申し込みがあったみたいだ。日本選手がコールされるや否や、学ラン姿の若者が現れる。一般席の通路に颯爽と立っている。大きな声で「森の熊さん替え歌」「ターゴ・ターゴ・ターゴ」と声援を送り続ける。観客も彼等にあわせ、「声高合唱」を繰り返す。会場ではバレーボールや野球と違い、各コートでそれぞれ熱戦が繰りひろげられている。日本の選手も応援したいが、隣のコートでやっている世界的レベルのプレー、ラリーの応酬も見たい。打球音も聞きたい。バドはパワフルで繊細なスポーツなのだ。去年まではバドの凄い技には国や人種を乗り越えて拍手をしたり、賞賛の声をあげていた。今日も日本の選手がゲームをしていない時、いいプレーには拍手を送っていた。世界では、その国の文化に応じた応援の様がある。アジアの国には「大合唱、ニッポンチャチャチャ!」の応援も多い。応援する対象が「国」なのか、「個人」なのか、「高度な技を繰り出す」ことへの賞賛なのか、強い者への、あるいは弱い者への対応なのか、個人によって違う。応援の様は百人百様なのだ。この会場の観客は勝者にも敗者にもその健闘を称え、大きな拍手で応じている。国際大会での「ニッポンチャチャチャ!」大合唱の応援は、相手選手の人格も、そのスゴ技も、われわれの目の前から消えてしまいそうだ。他者への抑圧応援は自らの品位も落とす。
 夜は「阪神」の応援。さまざまなスポーツの応援風景が画一化されてしまう。

 「ビアガーデンがあります。ただいま参加希望者は12名です。」
ビア担当、モーリーから念入りにメールが入る。クラブ総会後、企画担当者を決め、早々に決まったビアガーデン。なかなか参加者が増えないみたいだ。今日は北京オリンピック二日目。久しぶりにアジアで開かれるオリンピックがはじまったのだ。おまけに3万発を誇る袋井花火も開かれている。無理もない。  
 ビアガーデンには新人ホーリーもやってきた。ホーリーはまだ22歳。ラケットを握って間もない。ナルさんと一緒の職場、ナルさんが誘って入部した。緑が好きなホーリー、趣味は植物採集。バドは全くの初心者。いつも明るく振舞っている。
 飲み会や行事では部員達の情報交換の場になる。次回混合大会にはまだ何ヶ月もあるが女子が少ないスマッシュ男子3部では女子をめぐり壮絶な戦いが始まっているみたいだ。
 「神さん、次回混合大会にシオリちゃんと出るみたいですよ!」
 「神さん、シオリちゃんから一緒に出ようって誘われたらしいですよ!」
 「前回も一緒に組んで出てたから即決だったらしいですよ」
また一人女子が消えた。
 ナルさんは男子3部一番人気。ヒロリンは入部間もないがバドにも慣れてきた。女子3部一番人気。
 「ナルさん、ヒロリンと次回混合大会に出るらしいですよ!」
 「え〜っ!」
予想もしてなかった事態に周りのモンは慌てふためく。
 「ヒロリンがナルさんに申し込んだみたいですよ」
 「でもナルさん、断ったら〜?」
なんとか話を潰したいモンがチャチャを入れる。目からは涙がこぼれている!
 「えへへ!」
ナルさん、ジョッキを持つ手が軽やか、この上ない笑顔をみせている。周りのモンはどんなに飲んでも酔いがまわらみたいだ。目が空ろになっている。ショックと無力感で話も進まない。話題は無理やり「北京」に。
 北京の開会式は凄かった。中国4000年!の歴史、カウントダウンは感動の漢数字、世界に向け発信した。我々は同じアジア人。漢字圏に住んでいたのだ。よく考えると中国は凄い!ラケットは何とか自前で用意できるが、ウエア、シューズは中国製。中国がなければ我々はラケット片手に、裸っぽ、裸足でバドをする羽目になる。シャトル無しで!

8月30日             バーベキュー                   タックンちの車庫

5月11日(日)    小雨       大会反省会             マートン邸      

 浜松市スポが開かれた。毎年市スポは男女ダブルスとシングルスの種目で行われている。スマッシュからは他のチームの方をお借りし、ダブルス8チーム、シングル3名が参加した。大会は浜松市在住・在勤を求めているため出場者がかなり減る。賞品もいつもの大会よりちょっとだけイイ、出場者にとってはかなりオイシイ大会になる。昇部の対象にもなっていないのだ。大会はリーグ戦で勝ちあがりトーナメント戦になっていた。負けたからといってすぐ帰ることもない。一日バドを楽しんでいられる。今日は応援。かなり早く会場に着いた。
 「え〜っ!そんな〜」
トントンが落胆の声を上げている。主催者のちょっとした手違いで女子2部に3部のチームを紛れ込ませてしまったのだ。そのチームがトントンのリーグに入ってきた。3チームリーグが4チームリーグになり、リーグの試合数も増えた。不満を持っていく場所もない。入ってきたチームと第一試合に対戦するようタイムテーブルも書き換えられた。ペアのスペース柳さんは超ベテラン。いきなりの試合はきついみたいだ。気落ちしたトントンの試合の応援にチームのみなもコートに駆け寄る。試合は1ゲーム先取の後、ラリーの応酬、熱戦になった。本人達はゲームに没頭、点数もなにながんだか分からんようになっていたみたいだ。
 ちょっとした手違いは次のミスを生み、とんでもない結果が待ち受ける。
 「トェンティーワン:トェンティー マッチワンバイ・・・・」 主審がマッチの終了を宣言。トントン達は主審に呼ばれ勝者サインを求められた。ゲームに勝ち、みなからハイタッチ・ロータッチを求めれる。が、後ろのコートでなにやらもめている。無理もない、ルールの上では20オールの時、最初に2点リードしたサイドがそのゲームでの勝者となるとうたわれているのだ。責任を感じた主審は大粒の涙を浮かべている。
 ナルさんは勉強家。ルールブックを取り出す
 「17条の1項、6項ですかねぇ?、6項(3)もほしかったですよね・・・」
 タッキーは実務派、
 「浜北オープンは勝者サインより敗者サインにしたほうがトラブル無いですよね。負けた上に尚且つ負けのサインじゃ立つ瀬も無いけど・・・」
 スマッシュ部員の成績は良かった。女子2部酒木さん優勝!女子3部ひろりん・富巫女さんペア3位。男子2部タックン・テラテラも準優勝した。賞品を手にし、みんな笑顔、疲れもとんでいる。いつものとおり負けたチームは空いたコートで反省練習にいそしみ、タダでは帰らない。男子1部モーリー、シングルス3位。コート内を動き回り、よく頑張った。頑張ったのはモーリーばかりでない。モーリーを応援するために部員10数名、コートを取り囲んだ。部員達の応援でモーリーをパフォーマーに変身させたのだ。終盤試合、閑散とした体育館内でコートをホーム状態にしていた。我々には相互互助、助け合いの精神が満ちている。

  「バーベキューしてますよ〜! 早く来てくださ〜い!」
朝は大雨、昼を過ぎてもシトシト、ザーザー雨が降っている。とてもバーベキューは出来る天候ではない。
 「お肉、美味しそうに焼けてますよ。ビールもありま〜す。みんな待ってますよ〜!」
そういえば今日はバーベキューの日だったっけ。でも寒いだろうなあ。バーベキューに参加した。
 「ナルの妻です。よろしくお願いします。」
 「あ〜っ!あのガソリンスタンドの!」
ナルさんは情熱家。みんな馴れ初めを知っている。可愛い娘さん2人も参加している。リカピョン愛息ユーマ君、マークン愛息シオピーも参加。家族ぐるみのお付き合い。おマセな親達が「ちょっとした子供合コンね」 なんて茶化していると、スマッシュ独身陣の一人がいきなり   「お父さん!」   ナルさんに向って迫る。酒豪ナルさんはすっかり酔いが醒めたみたいだ。
 リカピョンが久しぶりに親睦会に参加した。
 「ねえねえ聞いてくれる〜」 「私のダーリン、水曜練習から帰ったらウキウキ気分だったんで、なんかあったのって聞いたらねぇ
 『今日イケシマさんに僕の技 褒められちゃった。』 だって」
水曜練習の後、カズパもうれしそうに話していた。家庭ではリカピョンに大事にされ、毎日が花園にいるみたいな生活、そのうえイケシマさんから褒められ、蝶になってるみたいだ。可愛いイケシマさんからお話してもらえれば、誰でも、蝶にも花にもなってしまう。カズパ、これからもバドに熱が入る。
 「掲示板にのんさんからお知らせが届いてますよ。団体戦に参加したいんだって。ボク、返事しときました」
IT得意なタックンが口火を切った。男子団体戦、上級組は1部での参加になっている。のんさんが去った今、メンバー探しに苦労している。あれこれ名前を出してもどうしても一人足りないみたいだ。
 「最近入部希望の中ちゃんはどう〜?」 メンバー探しを続けていたら、マークンが  「上級者との試合は面白いよね!」
酔いも回り、俄然やる気を出している。 「ぼ・ぼ・ぼく 2部だけど!」って言ったけど、みんなに聞こえなかったみたいだ。マークンは部長!印籠だって魔法の杖だって持ってるモンね。 
 お料理得意なトントンがデザートを作り出す。バームクーヘン作りだ。みんな食べたことあるけど、作っているとこ見たことはない。苦労苦労の末なんとか出来上がった。味はホットケーキだったけど、美味しく仕上がった。バームクーヘン、渦の謎を解き、みなで頬張った。  ・・・・・バドが趣味な仲間、仲良しで、こういうこと好きなんだなあ。いつまでもこの間柄が続くといい。

8月9日(土)      時々                 ビアガーデン         浜北プラザ屋上


7月6日(日)                       浜松混合オープン大会             浜松サブアリーナ

7月5日(土)                   ちいちゃん結婚を祝う会               フォルテ

 梅雨、しとしとと小雨の降る中、第32回浜松シングルス大会が開かれた。男女合わせて100名を超え、熱戦が繰り広げられた。昨年は70名あまり、高校生を加え、参加者も増えた。スマッシュから男子6名、女子2名の計8名が参加した。社会人のクラブは体育施設が十分でないこともあり、シングルスの練習などほとんど出来ない。スマッシュでも同じ悩みを抱えている。シングルスの練習などせずに参加をせざるを得ない。
 部の8名の中には不純な動機を持つ参加者もいた。ガミーはこの4月からは副部長。機関紙の役員も兼ねている。真面目で責任感も強く、楽天的。自分のバド力量も心配だが、クラブの機関紙を毎月発行するのも気がかり。機関紙は練習日・部行事の部全員へのお知らせ以外クラブ員の人となりを知らせ、仲間内の潤滑油にもなっているのだ。スマッシュではバド技量ばかりでなく、さまざまな能力を持ち寄らないとクラブ運営が成り立たない。
 「6月は記事少ないですよ。新人歓迎会と・・・・・」
表面には少なくても2つ、裏面には4つぐらいの記事がないと十分なものは出来ない。
 「じゃあ ガミー シングルス大会に出ればいいじゃん!記事集めてきてよ!」
 「えーっ!僕がですか!?」
 「ははは、人柱だね!」
機関紙発行のために参加せざるを得なくなった。
 大会には選手ばかりでなく、スマッシュ応援団もやってきた。選手の人数より多かったかも。応援団は選手が集まる前から対戦相手のチェックをしたり、大会開始時間が過ぎてもまだ来ぬ参加者にメールをしたり選手以上に熱心。部員達はコールされコートに散っていく。が、成績は芳しくない。次々と復活戦に回って行く。
 「みんなどお〜」 酒木さんがやってきた。
 「酔いチャン、今負けました。」
 「なんで〜、応援来たのに〜」
パフォーマー酔いチャン、このところ長年練習に参加したことがない。1ゲーム初めからバテバテ。次第にバド感覚を取り戻し、凄いショットを連発していたが、1部での戦いは甘くない。日頃の不摂生がたたり復活戦に回った。負けてもなんだか笑顔を絶やさない。バドが出来るようになった身が嬉しいのだ。
 「みんながんばってる〜」
 ひろりんと与羽娘が遅れて応援にやってきた。ひろりんは最近入部したばかり。独身で可愛い。スマッシュはパフォーマーの寄席集まり。何かにつけ目立ちたがり屋が多い。応援団にいいところをしっかり見て欲しいのだ。可愛い女の子がいればなおさらだ。実力以上のものを発揮する。丁度男子2部でタックンが試合中。1ゲーム目逆転でゲームを失ったばかりだった。ひろりん・与羽娘のかわいい声援は大きかった。俄然元気が出たみたいだ。あれよあれよという間に2ゲーム3ゲームを連取。ベスト8まで登り詰めた。力が沸いたのはタックンばかりでない。かわいい声援に押されモーリーも頑張った。復活戦では決勝戦まで勝ち進んだ。元気になったのは男子ばかりでない。女子1部、さっとん準優勝!女子3部トントンは運悪く、復活戦に回ったが見事優勝!靴下を手に入れ、昇部の足がかりをつかんだ。

 昨日の野球の結果にはがっかりしたが、気を取り直しバド観戦にのぞんだ。このところ毎年の観戦で東京の地理にも慣れた。東京はびっくりすることが多い。足腰を鍛えるために電車内を爪先立ちする人がいれば、少しの時間でも楽をしようと座ろうとする者もいる。山手線、電車が到着する直前、まず席が空いているか目星をつける。どどどど〜っ、一番前に並んでいたのに、右から左から乗客が押し寄せる。あれよこれよという間に空いた席が次々ふさがっていく。都会の人にはかなわない。座れない。フットワークが欠けていた。
 [もうすぐ体育館に着きま〜す。与羽娘、シオリちゃん、ダイゴ君も一緒で〜す。」
みんな台風を心配し、東京に泊まったみたいだ。朝10時から体育館前に並んでいるとみんながやってきた。少し遅れて酒木さん、ダーリンも合流した。
 「昨日はヨネックスの米倉選手や伊東選手にバドクリニックしてもらっちゃった。」
 試合前にいろいろなイベントがある。「ターゲットバドミントン」では全員にグリップテープが参加賞としていただける。それを聞いた部員達はもうたまらない。タックン・ダイゴクンは川前・川口ペアに試合を申し込み、ダーリン、酒木さん・しおりちゃん、与羽娘はバドクリニックに出かけ、全員ターゲットバドで頂ける物はすべて頂いていた。スマッシュ部員はこういう時にも大活躍だ!
今日は準決勝10試合。熱戦の連続で時間の経つのも忘れてしまう。男子ダブルスでは目にも見えないスマッシュ、わけの分からん球筋のシャトルを打ち、それを簡単に返していた。
 「帰りは六本木で食事しましょう!美味しいところ知ってますよ。」
帰りはいつも駅弁買って新幹線ですませるのだが、与羽娘はみんなに美味しい食事や地方では見られない大都会の夜景を見て欲しかったのだ。与羽娘の一声で六本木ヒルズに向った。 ダーリンは東京育ち。
 「ここが六本木ヒルズです。あのホリエモンの会社がここにありました。」
ビルの中には水族館やら夜景展望台、お嬢さんやお兄さんが美しくなるエステ、お食事処、流行の最先端のお店がずらりと入っていた。おいしい食事でおなかが一杯になった部員達はゲージツ鑑賞。ビルの中の美術館ではフランスの♪○☆★◎●女流作家の作品が展示されていたのだ。人体の部分が形作られ、バラバラに置かれた部屋もあるかと思えば、大きな布切を敷き、中に空気を流し、得体の知れない動きをしている部屋もある。どう鑑賞していいか・・・頭が痛くなる。最後の部屋でセレブたちが立ち止まっている。人体のあらゆる部分が30センチ四方の写真におさめられ、天井から何百本も吊るされていた。その中に鏡も吊るされていたのだ。その鏡を覗き込んだセレブたちは中に映る自分の姿を見て思わずうっとり、見慣れた美しい顔に見惚れている。セレブの美しさはコートの中の動きばかりでない。その姿も美しい。

9月20日(土)            ジャパンオープン観戦        東京体育館・六本木ヒルズ

9月19日(金)                ジャパンオープン・ナイター観戦      東京体育館・東京ドーム

9月7日(日)      一時雷雨             市スポーツ祭       浜松サブアリーナ

 浜松混合オープン大会の応援でサブアリーナまで行った。覚えが正しければ、浜松協会主催の10大会のうち、何の理由かわからないが、オープンで行われるのはこの大会だけだ。県内外の大会がオープンで行われている中、閉鎖的との観はいなめない。今回はオープンのため浜松協会登録外より11チームの参加があり、75チームが集まっていた。スマッシュからは他所のチームの部員をお借りし、4チームが参加した。
 「遅いじゃん! 負けちゃったじゃん!」
用事が長引き、遅れて着くと、酒木さんががっかりした様子で来た。
 「酔チャンどうだった?後ろで酒臭かったら?」
大会は3チームリーグで、勝ちあがりトーナメント方式で行われていた。
 「あと一試合、頑張るわ!」
 大会にはラケットを持ち始め間もないアツポンUもトントンと参加していた。とりあえず一勝がこのチームの目標。第一試合は浜松大学のペア相手によく頑張った。相手のシャトルを確実に返し、拾いに拾い勝ちをもぎ取った。不運なことはこのリーグには優勝候補NO.1のチームがいたことだ。
 「どうやって攻めたらいいかわからん!」
無理もないことだ。相手男子は若いAKさん、後で聞いたらこの選手は千葉県でも一二を争う選手みたいだ。ウォームアップの時から注目の的。どこに打たれてもインパクトの時のフォームも音も機械のごとくみな同じ!向上心旺盛なアツポンUは臆せず向っていた。トントンは試合終盤、AKさんの打ち出す様々なシャトルに翻弄され、一歩も動くことが出来ず、「どうしようもないわ」といった笑い顔。
 急造ペアで出ることになった、モーリー・イケシマペアも頑張った。イケシマさんはこの春から練習に顔を出している。身は軽やか!綺麗なフットワークと、やっぱりどこに打たれても乱れない華麗なフォームで打ち返す。応援にはあいけん、マークン、タックン、しおりちゃんも来た。イケシマさんの試合にはみんな自然にコートに向ってしまう。 イケシマさんにはオーラが出ている。何しろ阪神地方からやってきたのだ。話し言葉もちがう!打たれたシャトルがバックラインに乗っかってしまい、
 「あ〜っ!やってもーた」 
可愛い関西弁を!
 「まだイケシマさんとお話したことないモンね」
先達て通訳のタックンのお陰でイケシマさんからレシーブを教わった。
 帰路に着こうと体育館玄関に差し掛かったとき、優勝候補のAKさんにばったり行き会った。
 「お兄さんは何であんなにスマッシュが速いの?」
親切に手取り足取り教えてもらった。
 「スマッシュは、ここからこうやるとこうなって・・・、だからここがこうなんです。」
明日からイケシマさんに教わったレシーブとAKさんに教わったスマッシュを頑張ろう。

6月22日(日)                浜松シングルス大会    浜松サブアリーナ

6月5日(木)               井川             赤石温泉白樺荘

 5月25日(日)             浜松団体戦春の陣    浜松メインアリーナ