9月17日(日)          浜松ダブルス            浜松メインアリーナ
12月 3日(日)      晴       浜北混合大会      浜北体育館&グリンサブ
 「明日は8時半集合です!浜松アリーナですので間違えないように!」
まーくんが声を掛ける。
「えーっ 当番ですか?」
 「ははは、当番じゃあありません、会場手伝いをしてそのまま練習しましょう!」
浜松ダブルス大会が開かれた。スマッシュからは他チームお手伝いを含めて10チームが参加した。
 「大変!大会シャトル取り違えた〜!」 会場に着くと富巫女さんが叫ぶ。スマッシュでは主な大会でクラブからシャトルが支給されている。それなりの理由もある。シャトル管理係りがシャトルを忘れれば部員達は窮地に立たされる。
 「新しい練習球あるし、3部の男子はお願いしてこれで済ませりゃいいじゃん!相手チームのシャトルもあるこんだし。後で返してこ。2部男子は試合球が何とか2個あるし。」  急いでシャトルを取りに帰っていった。
 今回の大会は参加チームが少なかった。で、敗者復活戦が加えられた。みたいだ。とりあえず”1勝”が目標のペアにとっては楽しみが増える。クラブチームは頑張った。男子2部タックンチームは3位、3部、監督・オギーペアは2位。女子2部さっとん・ユリチンペアは敗者復活1位。みんな賞品を手にし、満面の笑みが絶えない。一回戦突破チームは6チーム。
 敗者復活も一回戦敗者にはプレッシャーにもなる。トーナメントで負け、敗者復活でも負ければ全国的にレベルの高くない地方での敗者!”全国一の弱いチームカモ”になってしまうのだ。男子3部ガミーは大会でまだ1勝もしていない。クラブでもなんとか”ガミーに1勝を!”が合言葉になっている。今回も残念ながら女神は微笑んでくれなかった。しかもクラブからは”カモ”が2チームも出てしまった。ガミー・むらむらペアと神さん・もーさんペアだ。
 大会には可愛い応援団もやってきた。シオピーも一人前。ラケットを抱えシャトルを追いかけている。”福”部長りかぴょんも復帰間近!?。コートに入った部員達に声をかける。与羽娘も遠路はるばる応援にやってきた。マミーも旦那様ノンベさんに隠れ一生懸命素振りをしていた。早くバド復帰したいんだなあ。でも今は体弟一!もう少し我慢だね。
 帰路”せんざん”に立ち寄った。今回はご苦労さん会と応援のお礼、弟一回目のオギーの送別会を兼ねた。月末には本社に帰っていく。
 そうだそうだ、帰って、”カモ”決勝戦を開かなくっちゃ!
 浜松大会1ヶ月前の練習人数は暑さも手伝いかなり少なかった。大会目前になってくると次第に人数が多くなり、練習にも身が入っていた。大会が済むと、負けたものは悔しさのあまり練習にやって来、好成績を残したものはやっぱり気をよくして練習にやって来た。今日は練習人数が多かった。大会はバドの個人レベルを上げ、クラブの活動にもよい影響を与える。
 練習後のミーチングで浜北オープン大会実行委員会が招集され、浜北ガストに12人の部員が集まった。大会開催の3ヶ月前から準備に入る。大会準備作業は細部まで入れるとかなりの量になる。大会のマニュアル化が進み、短時間でも効率よく大会内容が決められていく。一番若いガミーが実行委員長に決められた。部長と副部長は事務局に座る。大会マニュアル化を進めた部長が会の司会・進行を進める。
 「作業は主に8つに分けられます。AからHまでです。」
 「どの作業をしたいのか挙手をお願いします。」
部長が言うや否や古参部員は
 「はい、E作業をします。」
部長が大きな声を出しても、離れた席にいるものは上手く聞き取れない。雑然としたガストの中なのだ。遠くてもこんな時はよく聞こえるみたいだ。
 「えーっ!わたしそれやろうと思ってたのにぃ!」 酒木さんが悔しがる。
準備作業は楽な順に決められていく。
 「賞状がなくなりました。賞状の形式と内容を決めたいと思います。」
 毎回賞状書きは大変だ。トントン、与羽娘が役割を担当している。大会終盤になると入賞者が決まりだす。本部席では大会の後始末、残りの部員達は準決勝、決勝のレベルの高い戦いを観戦する。その中、本部裏では黙々と精神を集中させ、一字一句間違えないように賞状書きをしているのだ。世の中電算化時代。日本古来の書道と電脳を両立させる方向で決まった。賞状の内容は「入賞おめでとう!」、ばかりでなく、「バドの普及や周りの人の技術向上にも役立ってください」 との趣旨もいれることが決まった。個人やクラブのレベルアップも大会の目的のひとつだ。これから大会は実行委員や部員、大会参加者の皆さん方の協力が必要になる。
 「ご注文はこれでよろしいでしょうか。」
人数の割りに売り上げが伸びないガストの店員さんは不満顔だ。何しろ集まった部員の半数はドリンクのみだ。練習で汗を流した分だけフリードリンクのお代わりが進む。
 弱った足腰を鍛えようと婦人用自転車で練習に参加した。ガストにも自転車で駆けつけた。帰り際、りかぴょんから「気をつけて帰ってね〜」と優しい声を掛けられた。
伝説の女王ばかりでなく、クラブの天使なんだなあ。
 
 9月22日(金)             大橋ガスト    大会実行委員会
 ジャパンオープン大会に観戦に行った。普段ジャパンオープン大会は早春に行われている。今回秋の大会になったのは春、日本でトマス・ユーバー杯が行われたためだ。タックンと郷里東京に帰った打凛の4人で準決勝の観戦だ。田舎者3人は国際大会は初めて。開場時間の1時間半前には着いたが、良い席を取ろうとすでに100人近くのバドラーが並んでいた。今日は奮発してS席。S席とはいえ自由席。早いもの順に席は決まる。あちこち見回り、何とかいい席を確保した。会場内ではヨネックス一色。新しいウエアやラケット、シューズも会場狭しと展示されている。新製品が当たる抽選会も行われていた。ラケット試打も有ったが、順番待ちが長く、待ちくたびれ会場内を歩いていると、待ち合わせをしていた打凛と再会した。
 試合時間が始まるまでは選手達は思い思いに練習、アップに励んでいる。選手達はみな、新しく発表されたウエアを着ている。宣伝効果満点だ。アップが終わり、試合が始まるまではアトラクションが続く。日本女子体育大学の新体操の披露もあった。競技の新体操ではなく、遊具も創意工夫されたものだ。会場からは拍手喝采。いい雰囲気になってきた。
 準決勝は2コートで行われた。本戦に入るとテレビで見た事のある選手達が次々とコートに入ってくる。目移りしてどっちのコートを見ようか迷ってしまう。今回の観戦目的のひとつはイングランド混合の王者、エムス。エムスのプレーを一目見ようと思ったがエムスは参加してなかった。エントリーしてなかったのだ。エムスはいなくてもピーターやシェ ツァン ガオがいる。日本の選手は男子ダブルス坂本・池田組も準決勝まで進んでいた。夜まで熱戦は続き、パワーと技、スピードを堪能した。凄い!我々のバドとは世界が違う、異次元のバドだ。
 「おじさん、こっちこっち」
タックンが袖を引っ張る。都会に来るとネオンの明るいほうに足が向いてしまうのだ。新宿の酒場で打凛との再会を祝った。打凛はスマッシュの部長を長い間勤めた。四方山話も続いたが、明日の決勝戦のために早々と引き上げた。

10月14日(土)           ジャパンオープン大会準決勝戦       代々木第1体育館
10月15日(日)           ジャパンオープン大会決勝戦       代々木第1体育館
 ジャパンオープン観戦二日目、今日は決勝戦だ。前日は慣れない都会に戸惑い、道中不安一杯だったが今日はすんなりと体育館に着いた。長蛇の列の前のほうに浜松のバドラーが並んでいた。この人たちはジャパンオープン観戦S席の常連組。今日私たちは一般席での観戦になる。会場は前日と同じ11時、試合開始は13時だ。
 「タックンと身内なの?」
前の列にいた浜松バドラー、ナカ婦人が私たちを見つけ、やってきた。
 「そうなんですよ。タックン、バドしたいって言ってきたんで、ボコボコにしてやったんですよ。それが悔しくてバドをし始め1年半、今では私、ボコボコにされてます。ははは」
 入場すると既に選手達は練習に励んでいた。面白かったのは決勝戦前に敗退したデンマークの選手達だった。3人がペアならぬトリオを組み真剣にプレーしていた。ルールもあるらしく、勝ち負けで規則正しくサービスオーバーを繰り返している。11点取ったところで試合は終了。その後が面白い。負けたチームはひとりずつネットに相対して立ち、勝ったチームの人たちが代わる代わるアンダーハンドでシャトルを体めがけて打つ罰ゲーム。シャトルコントロール、スピードも並大抵ではない。試合よりも真剣みたいだ。う〜ん、これは面白い!早速クラブにもこの罰ゲームを取り入れて・・・・。
 中国選手同士が対戦した女子シングルスは凄かった。世界一・二を争う 張 寧(ツアン・ニン)と謝 杏芳シェ・シンファン)。第3ゲームまでもつれ、20点オール。その後がシーソーゲーム。点を取ったほうが苦しそうな顔をしている。手に汗握り、29点オールまで進んだ。ラリーポイント制になり、国際大会でここまで来たのは始めてみたいだ。
 「そ〜ですかあ〜×○〜▲●・・・=▼◎×♪ な〜るほどお〜×=◎●▽∵・・・・」
 「ほお〜っ・・・・×◎=▲・・すると〜・・・・▽=●×♪・・・へえ〜×▲〜◎♪・・・・」
大きな声が熱戦の合間後ろから聞こえてきた。スカイパーフェクトTV752chの中継がされていたのだ。解説者岩田(旧姓)良子さんの声は聞こえないが、司会の青空球一さんの声は観客席の随分前のほうまでよく通っている。近くの観客が迷惑そうに後ろを振り返える。
 「あの有名なスカパー司会者ね!」
大きな声での司会はサッカー、プロレス、野球中継にはぴったりだが、バドミントンにはあってない気がする。バドは展開が早いのだ。なによりもバドラーはみんな品がいいのだ。

 あちこち寄り道をし、新幹線に乗るまで打凛に見送りをしてもらった。
 「社会人総合選手権大会にはまた来るでね!」
再会の挨拶をして帰路に着いた。
 
10月21日(土)       途中    オギー送別会            八剣伝    
 「まことにも〜し訳ございません。お部屋番号間違えておりました。」
”八剣伝”、”ビートル”は大忙し。俺が一番、みんな来ないのかなぁなんて思っていたら、それぞれ違う部屋で待ちぼうけしていたのだ。店長代理のお姉さんが小さくなっていた。
 今日はオギーの送別会。オギーは長い間この地で働いていたが、とうとう東京に帰ることになった。オギーは色は黒いが明るい好青年!色が黒いのは仕方がない。林道工夫をしているのだ f(^^; 。彼の活躍で山奥の人たちは随分助かっている。
 「ご注文はどうしましょうか?」 姉さんがやってきた。
 「え〜と、とりあえずビール。それと・・・・  サラダ、しいたけ、ニンニクに・・・・・」
メニューに並ぶ美味しそうなものを次々と頼んでいる。マークンクンが送別会の乾杯の音頭をとる。
 「今日は皆さん送別会に参加、ありがとうございます。オギーはもう直ぐ帰ります。監督を2部に引き込んで・・・・」
 監督は浜松ダブルス大会オギーとペアを組み3部準優勝!そのおかげで、監督はあと20数年も経たないと3部には戻れない。悲劇だ!かな?男子2部が少なくなってしまったスマッシュにとって、大きなプレゼントになった。
 送別会は浜松団体戦の作戦に話題が変わっていく。団体戦秋の陣は来月。オギーも出たがっていたが、そうは行かない。浜松大会に参加するには”選ばれし者”しか出場資格が与えられないのだ。ルールで出場したくても出来ないバドラーが身近にいることは、バドの同好者として残念でならない。
 「まことにも〜し訳ございません。只今込みあっておりましてご注文の品が・・・・・・」
お姉さんがまたまた小さくなってやってきた。
 「ツマミは出来んでも酒ならあるら〜」
お酒のペースが上がる。
 「梅酒の梅食べてみた〜い」
上機嫌になった酒木さんが満面の笑みになっている!
 「え〜っ、梅食べるの〜?」 ひいちゃんが怪訝そうな声を出す。
 「これって、コリコリして美味しいじゃん。疲れもとれるしぃ、美容にもすごくいいんだから」
 梅は酸っぱく、思わず皺が出来る話は聞いていたが、美容にもいいらしい。
 「これって歯に来ない〜?」
あ〜あ、ひいちゃん、二十五チャイのことすっかり忘れちゃったみたいだ。
 オツマミが無かった分空腹感で2次会に進むものあれば、明日の仕事が気に係り、すきっ腹で早々と立ち去るものもいる。店の前で別れを惜しみ、あれこれ話していると酒木さんのケータイで旦那様が迎えに来る。愛するアキちゃんをエスコートし、部員のみんなに感謝とお別れの言葉をかける。よく酒木さんの躾が行き届いているんだなあ。
 
 スマッシュ部員大忙し!今日は浜松団体戦。昨夜は遅くまで浜北オープン混合大会の打ち合わせの会合。一昨夜は練習日。みんな充実した日を送っている。
 この団体戦に5チームをエントリーした。女子2・5部、男子2・5・8部。筋っぽい。イースーチー作戦で上部進出を望むことになった。午前は女子Aチーム、男子Cチームの戦い。お気楽男子Cチームは最下位部、もうこれ以上下がることはない。
 「Cチームはジャンケンポンで決めましょう。」 部長の一言で作戦が決まる。8部は魑魅魍魎の部、実力を持った新しいチームが次々エントリーされてくる。われわれCの今の実力では昇部はほぼ不可能。それでも全力で戦う構えは出来ている。負けてもこれからのバドの課題がみえてくるのだ。で、やっぱり初戦で敗退。
 「おかしいなあ・・・・? 敗者復活でインドネシアチームとは当たらないはずなのにねぇ・・・」
 「まあいいかっ! このまま行こっ!」 バドはインドネシアの国技。敵う相手ではなかった。
隣の戦う女子Aチームはすごい。強豪揃いの2部で初戦突破。男子Cチームと意気込みが違う。
 「スマッシュのみなさ〜ん! 集まってくださ〜い。 シャトルズの落っちゃんと田っちゃんが結婚しま〜す。」
 「エーッ! ホントッすか・・・」
美人で可愛い、しかもバド実力も兼ね備えた今ちゃんがビデオカメラを抱えて待っていた。式の時にバドラーのお祝いの言葉を集めているみたいだ。
 「ウエーブしましょうか?」  「いやいやなんか他の・・・・・」
こんな時にはいろんなアイデアが出てくる。部員達もバドをしている時以上に目が輝く。
 「なんか落ちが合ったほうが・・・・・・」    ものの5分で出し物が決まった。
 「すごっ!」 近くにいたバドラーが目を丸くしている。
『千手観音』をチームワーク良くやり遂げ、お祝いの言葉を完成させた。そういえば磐田のクラブの寺ちゃん君ちゃんも結婚した。混合大会でペアになり、バド以外でもお互い理解しあい、そのままゴールイン。これからも微笑ましい光景を数多く見たい。
 1・4・7作戦は失敗し、今の部を維持するのが精一杯だった。
11月19日(日) 小雨     浜松団体戦秋の陣     浜松メインアリーナ      
 半日練習会を午後、笠井体育館で行った。参加者は16名。樽井先生に講師をお願いした。樽井先生は長い間、女子実業団チーム ヤマハで活躍されていた。美人だ。練習内容は企画部が事前にクラブ員の希望を聞きコーチと相談。その結果、来月から続く浜北、浜松混合大会にむけて特訓ということに決められいた。少し遅れていくと部員達はすでに樽井コーチの周りに集まり、コーチの説明を熱心に聞いていた。一通りの説明が終ると4コートに部員達は分かれる。
 「始めに体慣らしのために、P連をしま〜す。」
体育館に大きな声が響く。体慣らしといっても、いつもの練習とは大違い。しかも、混合の対策まで入っている。部員達は悪戦苦闘。かなり高度な練習だ。次第に体も温まり、足もモタついてくる。いつもの馴れ合い練習と違い、部員達は真剣だ。実力を持ったコーチの言うことはよく聞いている。だんだん本格的になってくる。
 「ここのコースにドロップを打ち、シャトルを上げさせ、スマッシュをうちま〜す。スマッシュはこのコースに打ちま〜す。女子はこの返球を狙います。二歩でさがり、ジャンプしてシャトルを捕らえます。」
各コートで技の習得が始まる。
 「集合!皆さんドロップが甘いです。ちょっと酒木さんのドロップを見てみましょう。」
スマッシュ女子は実力派。団体でも2部を維持したばかりだ。その中心に酒木さんがいる。
 「酒木さんのシャトルのようにネットを巻き込むようにして打ってください。フォームはこうです。で、このラインのここの辺の前に落ちるようにしてください。ラケットはしっかり振り切ってください。」
部員達はこの球筋を頭に焼付け、練習に励む。
 「次はワイパーでシャトルを落とします。・・・・・」
 みんな上手くワイパーが出来ない。シャトルも落ちず、球足が長くなっている。マドカはまだ初心者。ワイパーも初めてだ。マドカばかりでない。みんな経験がないのだ。
 「みなさん、ここはこうです。」
マドカの後ろに回り、マドカの手を優しく握り、ラケットワークの手本を見せる。
 「あんなふうにやって欲しいと思ってるんでしょ」
後ろでモーリーが囁く。「ハハハ、そんな不謹慎なことは・・・・・・」
 部員達はバックハンドロングドライブも苦手だ。
 「タッキー、お手本を見せてやってください。」
コーチが部員達の実力をみてタッキーにお手本の白羽を立てた。長い手足と踏ん張り、回外運動されたラケットが見事にシャトルを捕らえている。
 「パシッ」 凄いスピードでコートの後方まで飛んでいく。
 「ノック出しは大切です。コントロールしてください。いつもの練習だけではここのシャトルはいつまでたっても返球できません。繰り返し意識して練習してください。」
クラブの弱点を強化するため一生懸命コーチしていただいた。これで迫る混合大会はダイジョウブ。頑張る気構えが出来た。
11月29日(日)        半日練習会             笠井体育館
 「わたしと浜北ミックス出てもらえませんか?」
 「ぼっ、ぼく がんばりますっ!」
佳麗なスマッシュセレブトッコちゃんから丁重な申し出があった。
加齢と実力もあいまってダブルスのペア探しに苦労するようになってしまったアタシはもう有頂天。もう女なら・・・・・状態でいたのだ。
 浜北オープン混合大会を開催した。残念ながらグリンメインアリナを確保できず、グリンサブアリナ、浜北体育館での2会場で分かれての大会となった。ペアに恵まれず、試合不参加のサワミー、神さん、アニーも駆けつけてきた。大会運営には多くの人手が要る。大会直前まで部員は大忙し。当日には運営の他、試合にも出なくてはならないのだ。
 「コールします・・・・・ゴホッ・・・」
スマッシュ内では風邪がはやっている。りかぴょんは裏声で懸命にコールしている。島娘マドカも声がつぶれている。自分の分までコールし、コートに走っていく。見かねたサワミーもコール嬢と化していた。
 スマッシュ部員は試合でも頑張った。1部ではモーリーが西山口美女、アオッチと組み3位。2部ではユリチン、スペースのマサクンと組み優勝。3部は接待上手なメンバーが揃い、4部ではナルさん、ひいちゃんが準優勝。こんなことは滅多にない。浜北会場終盤になると一足先に終えたサブアリナ組がやってきた。
 「見て見て!こんなん貰っちゃった。写真とって貰わなくっちゃ」
笑顔でひいちゃんがやってきた。ペアのナルさんも嬉しそう。大会未勝利のペアが練習の甲斐が有り、初めて入賞した。ひいちゃん、ダイエット目的で入部。最近少し頬がすっきりしてきた。楽しんでダイエット、無理をしなければ健康的にもなる。人生これに越したことはない。
 今回の実行委員長はガミー。ラケットを握り、間もない。大会でまだ一勝もしてないみたいだ。でも、立派なスマッシュ部員。バドの実力ではいまひとつながら実行委員長の役を、部員みんなの協力とともにやり遂げた。そういえば部長もガミーも運営一筋だったなぁ。
 浜松混合大会が開かれた。年末の浜松大会で最後になる。いつもの大会に比べ参加チームが少なかった。以前にはトーナメントで戦われていたが、今回はリーグ戦、勝ち上がりトーナメント形式で行われた。
 スマッシュではこの大会のために系統的に金曜練習、半日練習会、浜北混合大会を開き、部員のバド力を高めてきた。部員にとって集大成の大会になる。スマッシュからは他のチームのメンバーをお借りし、モーリー・オトモ、酒木・オックン、さっとん・ナガサン、ユリチン・タックン、マークン・とんとん、ひいちゃん・ナルさんの6チームが参加した。やはりいつもより参加チームが少ない。
 「ギャー!」
 大会にむけミックスの練習中、大きな悲鳴が体育館に響き渡る。部員達はトントンの所に駆けつける。コートの中でトントンが倒れている。愛する旦那様、マークンのヒダリからの強烈なスマッシュを後頭部に受けていたのだ。本気を出したマークンのスマッシュは早く、重たい。まともに受けたみたいだ。トントンの目からは涙が溢れていた。旦那にやられた分、痛さも人一倍みたいだ。でも安心。今日はチームワークぴったし。お互いいいプレーが出るたびにハイタッチを繰り返していた。
 ひいちゃん・ナルさんペア、浜北オープン大会4部準優勝。気をよくしている。第一試合、ダイゴ君達と対戦することになった。ひいちゃんは弱冠25歳、しかも老練だ。
 「ダイゴ君、イジメないでね。ユリチンによろしくぅ〜・・・・」
ブツブツ言っている。ユリチンはスマッシュアイドル。可愛い。可愛いのは容姿ばかりでない。性格も愛らしいのだ。ダイゴ君にプレッシャーをかける。セレブは対戦がとても叶わない相手とわかると握手する前から舌戦を始める。地方の社会人の大会は様々なしがらみで成り立っているのだ。その甲斐あって、かなり善戦。あと少しのところまで追い詰めていた。試合終盤、ひいちゃん、バックに打たれたシャトルを思わず左手キャッチもしたみたいだ。周りのバドラーも楽しそうなプレーに拍手していた。口八丁手八丁。元気一杯、楽しいプレーが持ち味だ。
 「ラリー中ん時ね、ネット上端にシャトルが突き刺さりました。ルール良くわからんから、フォルトにしときました。ははは。」
善戦した主審担当のナルさんがやってきた。
 「多分レットだよね」
こんなこと滅多にないからよく分からん。ナルさんは浜北オープンで公式試合、審判を初めてこなし、浜松大会ではその経験を生かし無事やり遂げた。ネット突き刺さり事件も体験した。一生ものの経験になるだろう。
 大会にはノンベさん、マミーが差し入れ応援に来た。とんとんのチーズケーキも美味しかったし、セレブのリポビタンAぐい飲みも見ちゃったし。試合には参加できなかったけど話題に事欠かない楽しい一日だったなあ。
12月10日(日) 快晴             浜松混合大会      浜松サブアリーナ
 「どうする〜どうする〜忘年会!」
スマッシュ部員は大会主催、大会参加、部内試合、この年末も大忙しだった。もう忘年会どころではなかったのだ。それに飽き足らないモンが口火を切った。
 「う、うっ、うっ・・・や、や、や・・・・やっぱり や、やりましょう!!」
企画部長のタックンは忘年会を開く決心をした。部員達のこの忙しさの中、好き者部員達、部員に気を使ったのだ。浜北八剣伝での緊急忘年会が決まった。
 成績はともかく部員達は今年も頑張った。自分達が楽しむだけでなく、周りのバドラーにも一緒に楽しんでもらおうと様々な企画をした。部内ばかりでなく、年3回の大会を維持、運営するなど近隣のバドラーの期待にも応えてきたのだ。部内の慰労、忘年会はどうしても開かなくてはならなかったのだ。
 緊急的な忘年会にもかかわらず部員達は”楽しい時間”に期待膨らませ集まってきた。
 「皆さん!今年一年、ご苦労様でした。今日は慰労会です。楽しみましょう!」
 「飲む前に、今日は学力テストがあります。」 「みんなのバド知力のテストです。10点満点になってます。あとで答案用紙を提出してください。最高得点者には豪華商品がありあます。」
 スマッシュ部員は大変だ。バド技量ばかりではない。バド知力まで求められるのだ。が、みんな知力までは手が回らない。練習に参加するだけでも大変なことなのだ。
 大会で、一会場で2面以上のコートを設ける場合、隣接するコートとの間隔は最低何m以上なくてはならないか?なんて問題もあった。
 「え〜っ!こんなのわかんないっ!! ねえねえ タッキー!おせ〜て!!」
タッキーはバドはともかく、クラブ一知性派だ。旧”帝国”大学院卒なのだ。人柄もいい。こんな時には人一倍頼られる。勿論甘えたのはスマッシュセレブ酒木さんだ。
 「ここはわかんないけど、ここはこれでしょう!」
お酒勧め上手なセレブに酔わされ、次々と難問を解いていく。
 与羽娘ははるばる島田からやってきた。ユリチンはお酒を飲まずに忘年会の雰囲気を楽しんでいる。ナルさんも初めての忘年会参加だ。りかぴょん、モーリー、マークン、トントンもやってきた。ブンチャンは仕事柄練習にも参加できない。大会にも殆ど参加しないが”人”を求めやってきた。バドを趣味に持つ”間柄”はいい。仕事仲間内だけでの付き合いだけでは人間性が発揮できないこともある。利害関係がない人間関係も今に生きる人間にとって必要だ。人の生存・生命をも脅かす競争や格差社会は人類にとって似合わない。部員にとってこの忘年会が癒しの時間になっている・・・・・かな?
 酒木さんが9点を獲得。賞品をゲットした。他の部員は飲むことに気を取られ、平均点5点。まずいじゃん!これじゃあ、スマッシュ教育委員会も必要になる。子供達を”時の政府の思想に従わせる、あの”お仕置き教育”ではない。あくまでも自主性に富み、自由闊達にバドする中で”一人の百歩より百人の一歩”も大切にし、ともにバド技量・知力・和力、ん?輪力を伸ばしていく勉強会の開催だ。
 ちなみにテスト問題をためしてみた。わたしは10点満点だった。f(^^;
12月29日(金)               忘年会       浜北八剣伝